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【かながわ美の手帖】横浜本牧絵画館「トロンプルイユの現在 2019」展

岩田栄吉「マヌカン(トロンプルイユ)」(昭和49年)=笠間日動美術館蔵(須藤千重子寄贈)
岩田栄吉「マヌカン(トロンプルイユ)」(昭和49年)=笠間日動美術館蔵(須藤千重子寄贈)
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■そこにあるよう…空間のつながり

 横浜本牧絵画館で開かれている「トロンプルイユの現在(いま) 2019」展。トロンプルイユって何? 一般に「だまし絵」と訳されるが、イコールではないという。その違いを示すことが同展開催の趣旨。先駆的存在の岩田栄吉をはじめ、日本人画家たちによる細密な写実表現が一望できる。

◆「ちょっと違う」

 「階段を上っていくと元に戻ったりとか、イラスト風で心理的な錯覚を起こさせたりとか、いわゆる『だまし絵』はいっぱいある。でも、それらとは、ちょっと違う」

 どう「ちょっと」違うのか。同館館長の武田由隆に問うと、「だまし絵」との違いと同じ比重で「写実的絵画」との違いについても合わせて語り出した。

 写実的絵画は長い美術史の中で培われた西洋の伝統を踏まえ、高い技術によって実物と見まがうほどに描かれる。トロンプルイユは「だまし絵」という絵画ジャンルの中の一つであるとともに、「写実的絵画」の中の一つでもある。ただ、「描く世界が額縁の中で完結せず、われわれ自身のいる空間とつながっている」ところが違う。絵の中の世界と現実世界との「つながり」こそがトロンプルイユを解く鍵だと武田は言う。

 館内のパネルに、こう書かれていた。

 〈例えば見る人のいる部屋の窓のように、部屋にある調度品のように、部屋の壁に掛けられた何かのように描かれる。また、額の中の絵の世界から見る人のいる部屋の中に飛び出してきたように、あるいはその部屋の中から何かが入り込んでいったように描かれる〉

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