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川端康成の愛した部屋 宮崎観光ホテルが保存 市民ら要望で改装せず活用

川端康成がNHK連続テレビ小説「たまゆら」の取材で滞在した宮崎観光ホテルの西館A棟522号室(同ホテル提供)
川端康成がNHK連続テレビ小説「たまゆら」の取材で滞在した宮崎観光ホテルの西館A棟522号室(同ホテル提供)

 宮崎などが舞台になったNHK連続テレビ小説「たまゆら」の原作を手掛けた作家、川端康成(1899~1972)が、放送開始前年の昭和39年に滞在した宮崎市のホテル5階の客室が当時の状態で保存されることになった。夕日に染まる川など景観を気に入った川端が滞在を延長したことで知られ、市民らの要望を受け、ホテル側が全面改装の計画を一部見直した。

 「宮崎観光ホテル」は、宮崎市中心部を流れる大淀川のほとりに29年に創業した。当時、運営会社の社員だった渡辺綱●(=糸へんに覧)さん(88)によると、川端は39年11月に取材で宮崎を訪れ、約30平方メートルの和洋室がある西館A棟522号室に宿泊した。当初2泊の予定だったが、バルコニーからの眺望に「こんなに美しい夕日は初めて」と感嘆し、滞在期間は約2週間にも及んだ。

 テレビ小説では、会社を退いて「古事記」を手に各地を旅する主人公の男性を故笠智衆さんが演じた。日南海岸や大淀川沿いの公園などでロケがあり、渡辺さんは「新婚旅行先として人気が出ていた宮崎にとって追い風になった」と振り返る。

 一方、ホテル側は平成26年ごろから耐震化に伴うリニューアルを検討、西館全165室を洋室に改装する予定だった。しかし市民や一部従業員から「貴重な資産で、後世に残すべきだ」と保存を求める声が相次ぎ、今年3月下旬、522号室に限り、耐震性を保ちながら間取りや内装を維持すると決めた。

 工事終了後の8月以降、川端ゆかりの書籍や宮崎滞在時の写真などを室内に展示し、客室として活用する。担当者は「文豪が愛した景色を存分に楽しんでほしい」と話している。

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