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ふるさと納税新制度で「返礼品」試行錯誤 さいたま市は「てっぱく」活用

 ■深谷は「渋沢」、行田はコラボ戦略

 返礼品は「寄付額の3割以下の地場産品」。こんな条件を設定したふるさと納税の新制度が1日からスタートするが、県内の反応はさまざまだ。評価する声があがる一方、過熱する自治体間の返礼品競争に歯止めをかけるためとはいえ「厳しい」との声が漏れる。 (竹之内秀介)

 さいたま市の清水勇人市長は5月30日の記者会見で新制度について「一定のルールの中で各地方団体が競い合える環境が整えられたことは、一定の評価をしている」と語った。

 市への寄付金は平成29年度、約1200万円にとどまり、市民が他の自治体に寄付することで本来、市に入る税収が減少する「流出額」は約29億円に上るという。清水市長は「税収減が進んだ場合、財政運営に影響を及ぼし、行政サービスの低下につながる可能性がある」と危機感を募らせる。

 ただ、税収減を黙認しているわけにもいかず、市は独自の返礼品を模索している。今年度から「さいたま国際マラソン」の出場権の募集枠を拡大したほか、期間限定で1万円以上の寄付者を対象に「鉄道博物館」(さいたま市大宮区)の夜間招待券を返礼品に加えた。将来的には自転車の国際レース「さいたまクリテリウム」の観覧券の拡大や、Jリーグの浦和レッズのチケットも用意しようという案も浮上している。

 市財政課の担当者は「実際に足を運んでもらい、寄付額を超える経済効果を生み出せる体験型の返礼品を拡充したい」と意気込む。

 逆に、ふるさと納税を活用し、増収につなげている自治体もある。深谷市は返礼品の「冷凍大和芋とろろパック」が人気で、29年度は県内トップの約2億6千万円を集めた。地元生まれの実業家、渋沢栄一が新一万円札の肖像に採用されたことから、渋沢の肖像画入りの「紙幣風ミニタオル」も返礼品にそろえた。

 自治体間によるコラボ返礼品も登場している。行田市は31日、近隣の加須、羽生両市と連携し、埴輪(はにわ)づくりや藍染め体験などコラボ体験型の返礼品を募集すると発表した。複数の自治体の観光資源を組み合わせることで、返礼品の魅力を高める狙いがある。

 一方、姉妹都市の新潟県十日町市産のコシヒカリや栃木県那須塩原市産の乳製品などを返礼品にしていた新座市は、総務省から「地場産品ではない」との指摘を受けて取り扱いを中止した。市の担当者は「目立った地場産業のない自治体にとって新制度の条件は厳しい」と打ち明けるが、「『これ、いいね』といってもらえるような新しい返礼品を用意できるよう再スタートしたい」と話す。

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【用語解説】ふるさと納税

 平成20年度に始まった。応援したい都道府県や市区町村に寄付すると、所得税と居住している自治体への住民税が減る仕組み。一方で多くの寄付を集めようと、自治体間の高額な返礼品競争が激化し、総務省は1日から規制を強化した新制度を始める。(1)寄付募集の適正な実施(2)返礼品の調達費が寄付額の3割以下(3)返礼品は地場産品-の3基準に適合した自治体が新制度の対象となる。

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