PR

地方 地方

ファーウェイ排除の影響は「冷や水」程度 大打撃は否定、中国政府の出方注視

記者会見で米政権の動きを非難する華為技術(ファーウェイ)の宋柳平上級副社長=5月29日、中国広東省深セン市(共同)
記者会見で米政権の動きを非難する華為技術(ファーウェイ)の宋柳平上級副社長=5月29日、中国広東省深セン市(共同)

 米トランプ政権による禁輸措置表明によって、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)離れが世界的に進む。懸念された九州の半導体産業への影響は、これまでのところ「冷や水を浴びせられた」程度に収まっている。(九州総局 中村雅和)

 九州は、昭和30年代後半から半導体関連産業の集積が始まり、「シリコンアイランド」と呼ばれる。

 九州経済産業局によると、平成29年度の九州7県の半導体製品出荷額は7500億円で、製造装置も含めれば1兆円に達する。生産数量は、全国の3割を占めた。

 九州産の半導体で4割を占めるのが、スマートフォンなどに使われるイメージセンサーだ。レンズから入った光を電気信号に変換する機器で、人間の目でいうと、網膜と視細胞に当たる。

 このイメージセンサーでは、ソニーセミコンダクタソリューションズが世界シェアトップだ。同社は熊本県菊陽町など、九州に複数の工場を持つ。

 ◆相次ぐ販売延期

 米トランプ政権は5月、ファーウェイ製品の禁輸措置を発表した。「安全保障に脅威をもたらしうる」というのが理由だった。

 発動すれば米政府の許可なく、米国の重要技術をファーウェイに販売できなくなる。ファーウェイがスマホに搭載する米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」やアプリなどが使えなくなる可能性が浮上した。

 ファーウェイの日本法人によると、同社は約80の日本企業と取引がある。ファーウェイのスマホ生産計画に狂いが生じれば、部品などを供給する日本企業にも影響する。すでに、日本国内の携帯電話各社は相次いで、ファーウェイの最新鋭スマホ、P30シリーズの販売延期を決めた。同シリーズには、九州に拠点があるソニーセミコンダクタソリューションズが、イメージセンサーを納めている。

 では、「ファーウェイ・ショック」が、ソニーや九州企業を襲うのだろうか。

 民間シンクタンク、九州経済調査協会の小柳真二研究主査は否定的だ。「ソニーの半導体は、ファーウェイ一本足ではない。冷や水を浴びせられたことは確かだが、大きな打撃にはならないだろう」と分析した。

 実際、ソニーの吉田憲一郎社長は5月21日、都内で報道関係者らを集めた説明会で、イメージセンサーの売上高について「23%が米国、9%が中国向けだ」と述べた。

 ◆報復合戦の恐怖

 ただ、ファーウェイに加え、アップル(米国)も巻き込んだ報復合戦になれば、半導体産業への影響は拡大していく。

 イメージセンサーなど半導体産業にとって、スマホは大きな市場だ。ファーウェイの風邪なら微熱ですんでも、スマホ全体が風邪をひけば、半導体産業は肺炎になる。

 「イメージセンサーでは、スマホと比べ自動車などの市場はまだまだ小さい。スマホによる収益や投資を、今すぐに代替できるほどではないだろう」(小柳氏)という。

 中国共産党の機関紙、人民日報系のウェブサイト「人民網」によると、中国商務省の高峰報道官は5月30日の記者会見で、アップルへの報復的規制について「在中国のすべての外資系企業の合法的権利は、中国政府によって保護される」と述べた。

 外資系企業が中国政府の「保護下」にあることを強調した発言ともとれる。報復合戦は予断を許さない。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ