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足利ゆかりの画家、田崎草雲の妻・菊子を小説に 作家・坂井希久子さん

「田崎草雲と妻菊子の関係は、モラルハラスメントなど現代に通じる問題もある」と話す小説家、坂井希久子さん=14日午後、東京都千代田区の小学館
「田崎草雲と妻菊子の関係は、モラルハラスメントなど現代に通じる問題もある」と話す小説家、坂井希久子さん=14日午後、東京都千代田区の小学館

 足利ゆかりの文人画家、田崎草雲の妻、菊子を題材にした小説「雲の礎」が、月刊小説誌「story box」(小学館)に連載され、話題になっている。作家、坂井希久子さん(41)の歴史小説で、画業に打ち込む一方で放蕩(ほうとう)三昧の草雲に悩み苦しむ菊子の姿を描く。波瀾(はらん)万丈の菊子の生涯にひかれたという坂井さんが、都内で産経新聞の取材に応じた。

 田崎草雲は江戸後期に足利藩絵師となり、明治期に初代帝室技芸員に選ばれた。幕末、民兵による「誠心隊」を組織し治安維持に当たり、足利学校の古書保存にも奔走するなど足利を代表する偉人の一人。菊子は江戸の豪商宅に生まれ、大奥にも御殿奉公し、「今戸小町」と呼ばれるほど評判の娘だった。「あばれ梅渓」「貧乏梅渓」「遊歴梅渓」などと異名をとった草雲を支え続けたが、42歳で狂死した。

 坂井さんは2年前、小学館から実在の女性を題材にした歴史小説の依頼を受け、人物辞典で菊子の存在を知り、執筆を思い立った。波瀾万丈の生涯に興味を持ったという。足利市も2度取材に訪れ、市草雲美術館(同市緑町)などで文献資料を調査した。

 小説「雲の礎」は昨年12月に連載スタート。「貧乏絵師だが、必ず天下に名を成す大物になる」という父親の言葉を信じて草雲と結婚。赤貧にあえぎながらも家計を切り盛りし、連日、友人らと酒をあおり、気が向けば遊歴に出る草雲を支えた。実家とも絶縁し、質入れや内職で息子の格太郎を育て、草雲の成功を祈った。ようやく足利藩お抱え絵師となり、絵の注文が舞い込むようになったとき、菊子に精神障害の兆候が現れる。

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