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今秋仙台でILC国際会議 組織代表が会見「加速器設計 完成させる」

 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地になっている、宇宙の成り立ちを探る次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について研究活動をとりまとめる国際組織は、世界の研究者が最新の成果を発表する最大規模の国際会議を10月28日~11月1日に仙台国際センター(仙台市青葉区)で開催すると決定した。組織の代表を務めるリン・エバンス氏(英国)は21日、東北大で会見し「会議で(加速器の)設計を完成させる」と述べた。

 会議は日米欧で毎年開かれ、前回の日本開催は3年前、開催地は盛岡市だった。今回は国内外の研究者約300人が参加し、加速器関連の企業展示も予定されている。

 約8千億円に上る総建設費を日米欧で分担するILCの誘致をめぐっては、昨年12月、文部科学省の依頼で是非を審議していた日本学術会議の検討委員会が「巨額の経費負担に見合わない」との回答を出した。エバンス氏は「確かに科学的な価値を認めながらもコストに関する疑問はあったが、大きなプロジェクトはそうなりがちで、コストやエネルギー消費は大きくないと理解している」との見方を示した。

 一方で、今年3月に同省がILCについて初めて明らかにした公式見解では「現時点で誘致の表明には至らない」としたものの、国際的な意見交換を続けるとしている。エバンス氏は「前向きな声明が出されたという意味で、誘致を楽観視している」と評価。その上で「今年中に政府から青信号が出ることが非常に重要な状況だ」と語った。

 国内の研究組織は、議論を一本化させるため▽東北ILC準備室▽先端加速器科学技術推進協議会▽高エネルギー加速器研究機構の3団体を一元化した組織を設ける方針。同室長で岩手県立大の鈴木厚人学長は「オールジャパンで動き、政府間協議に臨むにあたっての材料を提示したい」としている。

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【用語解説】国際リニアコライダー(ILC)

 全長20キロのトンネル内で素粒子同士をほぼ光速に加速して衝突させ、宇宙誕生直後の超高温状態を再現する実験施設。万物に質量を与えるヒッグス粒子を大量生産して性質を調べ、宇宙の成長過程を探る。現在の物理法則を超える新理論などノーベル賞級の成果が期待されている。

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