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【ミュージアム】新潟市新津美術館 「ゲゲゲ」の魅力に迫る

 砂かけ婆、一反木綿、そして鬼太郎…、白い大理石でできた階段状のアトリウムに足を踏み入れると、子供のころから親しんできた妖怪たちが出迎えてくれる。「追悼 水木しげる ゲゲゲの人生展」。人気アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の作者の魅力に迫る巡回展だ。

 平成27年11月、93歳で他界した水木氏。その人生は数奇と言ってよい。先の大戦で南太平洋へ出征し、爆撃で左腕を失いながらも復員。紙芝居画家、貸本漫画家などをして暮らし、貧窮の中で夢を追い続けた。昭和40年に「テレビくん」で第6回講談社児童まんが賞を受賞。43年にはテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」が放映され、国民的漫画家となった。

 その生涯を追う同展では、幼少期を過ごした鳥取県境港市で近所に住む「のんのんばあ」から妖怪談を聞かされて育ったエピソードが紹介され、“妖怪研究家”の原点を知ることができる。少年時代に描いた人物画や静物画、自らの戦争体験をもとにした戦記漫画を見ると、水木氏の才能の幅広さ、奥深さを感じずにはいられない。貧乏生活を描いた絵はユーモラスで笑いを堪えるのに苦労した。

 展示は趣向が凝らされている。数々の名作を生み出した書斎を再現し、プロジェクターで“水木ワールド”を描き出す。水木氏が集めた世界の妖怪・精霊コレクションからなる自宅の“妖怪ギャラリー”も。

 貴重な漫画原稿やエッセー、遺品など約390点が展示。見どころは、没後に見つかった妖怪画3点。その1つ、「妖怪のとき」の前に立つと、妖怪たちが闊歩(かっぽ)する寒村に吸い込まれそうになる。

 「なまけ者になりなさい」「けんかはよせ 腹が減るぞ」。会場には、水木氏が遺した“名言”が散在する。一つ一つ読んでいくうちに、心優しい妖怪たちに話しかけられ、少しずつ気持ちが楽になっていく気がした。(池田証志)

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 ■新潟市新津美術館 新潟市秋葉区蒲ケ沢109の1。電話は0250・25・1300。磐越道・新津インターチェンジから車で約20分。6月2日まで。開館は午前10時~午後5時。休館日は月曜日(5月27日は開館)。観覧料は一般1100円、大学・高校生500円、中学生以下無料。

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