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【千葉聞き歩き】主基の誇り、鴨川の誇り

主基斎田址公園で行われた「お田植え祭り」=11日、鴨川市北小町
主基斎田址公園で行われた「お田植え祭り」=11日、鴨川市北小町

 天皇陛下が即位され、令和元年は、代替わりに伴う儀式も注目される年となる。千葉県にも天皇の即位とゆかりがある場所があった。鴨川市北小町にある主基斎田(すきさいでん)址公園だ。

 新天皇の即位で、収穫を感謝し、国家安寧を祈る最初の新嘗祭(にいなめさい)となる大嘗祭(だいじょうさい)に献上する新穀を栽培する田を斎田と呼ぶ。斎田には、主基と悠紀(ゆき)の2カ所が決められる。明治天皇即位に伴う大嘗祭では、主基斎田として、当時の安房国長狭郡北小町村(現在の同市北小町)の約60アールが選ばれた。悠紀斎田には甲斐国(現在の山梨県)が選ばれた。

 長狭地方は江戸時代からおいしい米の産地として知られていた。「長狭米」は、平成3年に「日本の米作り百選」にも選ばれたブランド米だ。

 新嘗祭は毎年行われるが、大嘗祭は、天皇一世一代の非常に重要な祭祀(さいし)だ。明治4年の大嘗祭で斎田に選ばれた地元にとっても、大変栄誉なことで、近隣の村との合併を経て、大正4年に地名を主基村と改称、記念碑が建立された。

 小さな公園として整備されているその地で11日、陛下のご即位と改元を祝い、「お田植え祭り」が開かれた。亀田郁夫市長や、東京の明治神宮の関係者らが玉串をささげた。

 「明治天皇の大嘗祭で米を献上した名誉ある水田であることを地元の人でも知らない人がいる。この歴史を後世に語り継ごうと、初めて開催しました」。主催した「主基斎田の保全活用を考える有志の会」代表の鈴木美一さん(68)は、そう話す。

 公園の看板には「主基の地名は、小学校に名を残すのみとなっています」とあるが、その主基小も、少子化の影響で廃校となった。

 「主基の誇りを 故郷に」。校歌の歌詞の一文だ。同校の戦前の校歌には「明治の帝大嘗会 行いましし御時に 主基の国にし選ばれて」とあった。

 13日、11月の大嘗祭での悠紀と主基の2カ所を決める「斎田点定(てんてい)の儀」が皇居・宮中三殿で行われる。カメの甲羅を用いた古来の占い「亀卜(きぼく)」で決める。

 お田植え祭りで祝詞を奏上した天津神明宮の岡野哲郎宮司(71)は「占いで選ばれるということは、お金を積んでもできないこと。その斎田が鴨川にあるのは奇跡。そのすごさを感じてほしい」と地元の人たちに熱く語った。

 明治天皇の大嘗祭に、鴨川の地と「長狭米」が選ばれたという歴史は、千葉県の誇りである。令和でも郷土への愛情と誇りを忘れずにいたい。(斎藤浩)

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