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【ズーム東北】山形発 すずらん通りに再び活気を カフェから「まちづくり」

 かつては多くの人でにぎわったJR山形駅近くの「すずらん通り」(通称)。現在では人の姿が少なくなった通りに再び“にぎわい”を戻そうと、2人の若者が立ち上がった。2人は閉店した大型ビルの一部を改修し、カフェづくりを進めている。「夜だけでなく、昼間もにぎわってこそまち」。カフェで人の交流を生み出そうと奔走している。 (柏崎幸三)

 ◆20代若者立ち上がる

 カフェづくりに挑戦しているのは、大学院生で仙台市出身の追沼翼さん(24)、大学生で秋田県出身の北嶋孝祐さん(22)の2人。ともに東北芸術工科大学に在籍している。

 「すずらん通り」は昭和30年代、鉄筋3階建ての長屋状のビルが200メートルにわたり整備された。東北初の「防火建築帯ビル」(火災の延焼を食い止めるため、耐火建築物を並べたビル)としても知られ、かつては多くの人でにぎわっていた。

 2人がカフェづくりを進める老舗呉服店「とみひろ」(山形市十日町)が本社を構えていたビルも、かつては飲食店や書店、事務所などが並ぶにぎやかな商店街だった。しかし、郊外型の大型商業施設の進出の影響もあり、ビルは平成23年に閉店した。昨年「とみひろ」の冨田啓子常務は「JR山形駅近くでもあり、地域ににぎわいをもたらせたい」として、東北芸術工科大学に空きビルの活用法を相談。追沼さんら2人は、同大の馬場正尊教授の教え子であったことから「カフェづくり」の計画が持ち上がった。

 ◆昼に人が集まる場所

 「昼に人が集まる場所があってこそまち」と強調する追沼さんは、馬場教授が以前手がけた山形市七日町の古書店再活用で、地域再生のノウハウを学んだ。北嶋さんとともに、日本政策投資銀行の融資やクラウドファンディングで資金を集め、同ビルの一部をカフェ「Day&Coffee」に改修。秋田市の著名コーヒー専門店「KAMELEON COFFEE」で修業したバリスタでもある北嶋さんは、カフェでは本格派のコーヒーとワッフルを提供していく予定だ。

 カフェの運営を任されている北嶋さんは「コンビニの100円コーヒーではなく、スペシャルティーコーヒーを目指す」と言葉に力を込める。カフェではテークアウトの注文も受ける予定だという。

 「すずらん通り」にほど近い山形市中心街の七日町も、かつては5つの映画館を構えたにぎやかな地域だった。しかし、県庁舎の移転以降、人の流れは変わり、午後7時以降は歩く人が少なくなった。それでも、七日町周辺では馬場教授の研究室が主導し、閉店した旅館や耳鼻咽喉科医院などを再活用。シェアハウスや雑貨店が誕生するなど、少しずつだが地域再生の動きが出始めている。

 行政主導のまちづくりでは、地域住民が参加しづらいというデメリットがあるのも事実。それだけに、今回の2人の若者が挑んでいる「カフェづくり」には、地域再生のヒントが隠されているのかもしれない。昼間に人のにぎわいが少なくなってしまったまちは、かつてのにぎやかさを取り戻せることができるか。

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