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「敦賀の塩 もっと知って」 敦賀湾の海水使用 老夫婦、自宅で手作り

手作りの塩を手にする橋野三郎さん、世津子さん夫婦=福井県敦賀市
手作りの塩を手にする橋野三郎さん、世津子さん夫婦=福井県敦賀市
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 かつて塩の一大産地だった敦賀市で、老夫婦が自宅で手作りする塩が好評だ。近くの敦賀湾でくんだ海水を使用し、甘みが強いのが特徴。約8年前に地元で売り出したところ口コミで評判が広まり、県外からも注文が相次いでいる。

 夫婦は同市田結の元工務店社長、橋野三郎さん(80)と世津子さん(76)。塩作りをする3~11月、月に1回ほど、自宅から約15キロ離れた海岸まで、タンクを積んだトラックで約700リットルの海水をくみに出掛け、自宅のプレハブ倉庫に設置した釜で少しずつ炊き上げる。全て手作業のため、生産量は年間わずか60キロだ。

 「敦賀市史」などによると、敦賀は古くから日本海側有数の製塩地で、万葉集にも、田結地区の海辺で塩を焼く煙が上がる様子を詠んだ歌があるほどだった。しかし、江戸時代に瀬戸内海沿岸で効率的に多くの塩を作れるようになると、次第に衰退していったという。

 橋野さん夫婦が塩作りを始めたのは15年ほど前。健康のため自宅で野菜を無農薬栽培する傍ら、「塩も地元で作った無添加のものがいい」と思い立った。最初は釜の底が焦げ付くなど失敗の連続だったが、愛媛県にある製塩会社の工場を見学して製塩法を学び、焦げ付かせないために海水を継ぎ足す頻度を変えたり、専用の釜を自作したりして商品化につなげた。

 万葉集にちなんで「万葉田結ケ浦の塩」と命名。1袋200グラム入りの500円で、主に電話で注文を受け、個別に発送している。ミネラルが豊富で、発売当時から愛用しているという市内の飲食店の男性店主(69)は「市販のものより味わい深い」と評価する。

 数年前に工務店を息子に任せ、一線を退いた橋野さんは「客に『おいしい』といわれるのが引退後の生きがいになった。敦賀の塩をもっと知ってもらえれば」と話す。お勧めの食べ方は、白米のうま味がよく分かる「塩むすび」という。

 問い合わせは(0770・23・1569)。

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