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熊本地震本震発生から3年 住宅再建ローン伸び悩み 県、仮設退去時期迫り対応急ぐ

 熊本地震で被災した住宅の再建を目指し、熊本県が後押しする新型ローンの利用件数が、当初見込みの約5分の1と低調だ。高齢者でも融資を受けて再建を望めるようになったが、ローンの仕組みは誤解されやすい。16日で熊本地震の「本震」発生から3年となったが、被災者の仮設住宅退去後の生活再建に向けた課題は残されたままだ。

 ■誤解

 「リバースモーゲージ」と呼ばれる新型ローンは、熊本県が被災者の自宅再建を促す支援策として平成29年秋ごろに融資申し込みの募集が始まった。

 もともとは既存の不動産などを担保に生活資金を借りる制度だが、提供する住宅金融支援機構は東日本大震災後を契機に仕組みを見直し、被災者も使いやすいように再建した住宅や土地を担保に融資できるようにした。

 熊本県はローンの利子を助成している。

 熊本県は当初600件の利用を見込んだが、今年2月末時点で124件にとどまる。

 背景にはローン制度への誤解がある。実際は元金を返済すれば建てた住宅を保有できるが、支援機構は「死後は必ず売却しなければならないと誤解している人が多い」と指摘する。

 ■未定460世帯

 同県南阿蘇村の農業、今村憲二さん(82)、芳子さん(80)夫妻は、大規模半壊となった自宅を新型ローンで再建した。いざという場合は、所有する田畑を売却して元金返済に充てるという。

 芳子さんは「高齢者は自宅を子孫に残そうという思いが強い。返済に充てる資産がなく家を売却するしかない世帯は、ローン利用をためらうかもしれない」と語る。

 県によると、仮設住宅や、行政が民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」などで避難生活を送っているのは3月末時点で約7300世帯。

 うち退去後の住まいを確保するめどが立っていなかったり、地震後の公共工事の影響で住まいの再建が遅れたりしている世帯は計460に上る。

 めどが立っていない被災者には、家賃や立地で希望に合う賃貸住宅が見つからない場合が多い。県は専門の相談員を派遣し、新型ローンの制度説明を含めた対応を急ぐ。

 同県益城町で被災し、熊本市のアパートをみなし仮設として暮らす女性(39)は、仮設退去時期が5月末に迫る。2人の子供や親ら家族6人で暮らせる手頃な物件が見つかっていない。「益城町では賃貸物件も高騰している印象で、希望の部屋はなかなか見つからない」と焦りを隠さない。

 仮設入居者の支援団体「minori」(熊本市)の高木聡史代表(51)は「資産がない人が(住宅再建のため)ローンに踏み出すことは難しい。仮設延長が認められなかったり、地元での再建を諦めたりするケースも多い」と指摘している。

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