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【人語り】キャンドル作家・西牧隆行さん 「日常の脇役」魅力広げたい

 県内で数少ないキャンドル作家で、松本市で工房「lifart」(リィファート)を運営している。キャンドルの明かりが織りなす陰影や鼻孔をくすぐる香りの魅力には、誰もが癒やされる。「日常の暮らしに存在している脇役」として、その魅力を広げたいと念願している。(松本浩史)

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 もともと松本市内でアパレル系の仕事をしていて、キャンドル作りとは縁もゆかりもなかった。何かで見かけて、一度トライしてからのめり込みました。趣味が仕事になったわけです。

 そこそこのでき映えで仕上げられるようになったころ、「イベントで飾らないか」とのお話をいただき、それならと平成20年に工房をつくったんです。それから2年ほどたって、アパレルの仕事は辞めました。

 キャンドルの魅力は、そう意識されていないのに、ある時間、ある空間にいる人たちの心をほがらかにしたり、癒やしたりできることです。明かりそのものから、それが織りなす陰影から、香りから、そんな気分にさせられる。いわば、「日常の暮らしに存在している脇役」なんです。結婚式や誕生会、クリスマス会など華やかな場面である必要は、さらさらない。

 キャンドル作りでは、溶かした蝋(ろう)を瓶とか型とかに流し込む際の温度管理に最も気をつかいます。素材となるワックスには多くの種類があって、液体になり始める融点がそれぞれ違います。配合のあり方も幾度も失敗した末にたどり着きました。色味、硬さ、手触り、燃焼性など、こうと信じた基準に合致するまで試行錯誤しましたね。

 瓶に蝋を入れるときは、立てた芯を固定する金具を底に置いて、まずは5ミリほど蝋を注ぎます。固まったら口の近くまで一気に入れて、また固まったら5ミリ、もう一度固まればさらに5ミリ流す。蝋は凝固すると縮むので、こうした手間をかけないとくぼみが生じてしまう。もちろん、すべて手作りです。

 今、フレグランスキャンドルが主流になっています。素材には、大豆ワックスやパームワックスなどを用い、ローズやジャスミンなどのオイルと混ぜ合わせます。オイルの配合にしても何度も試して、「これだ」と心底、納得できるものを使っています。

 キャンドル作家として、その魅力を体感して使ってくれる方が増えてくれれば、とてもうれしい。あくまでも日用品として手元に置いてほしい。

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【プロフィル】西牧隆行

 にしまき・たかゆき 昭和56年8月29日生まれ、松本市出身。文化服装学院卒。「lifart」は生活や光、芸術などの英単語から付けた造語。リンゴなど長野にちなむフレグランスキャンドルもある。160グラムのビン詰めは2376円、55グラムだと864円。

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