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史跡足利学校、江戸・明治の国書9000冊所蔵 新元号で脚光、新たな側面も

漢籍ばかりでなく国書約9千冊も所蔵されている史跡足利学校
漢籍ばかりでなく国書約9千冊も所蔵されている史跡足利学校

 新元号「令和」の出典元となった「万葉集」を所蔵し、注目される史跡足利学校(足利市昌平町)に、国内で著述された江戸時代発行のものを中心に貴重な国書9千冊も所蔵されていることが分かった。明治維新で足利学校が廃止の危機に直面した際、地元有志が保存活動の一環で寄贈していた。漢籍の宝庫とされる足利学校だが、新元号を契機に新たな側面が脚光を浴びそうだ。(川岸等)

 足利学校の古書は計1万7654冊で、そのうち漢籍は「文選(もんぜん)」など国宝4種77冊、国重要文化財98冊を含め8260冊。一方、江戸、明治時代の国書は9394冊を数える。

 国書では、今回話題となった文化2(1805)年発行の「万葉集」はじめ江戸時代発行の書籍を中心に所蔵。「日本書紀」「古事記」や軍記物語の「太平記」「難太平記」「平家物語」、辞書の「和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)」、日本史の「武江(ぶこう)年表」「大日本史」など多岐にわたっている。

 足利学校は戦国時代、軍師養成機関として栄え、江戸時代以降は儒学関係の漢籍の宝庫として尾張藩の初代藩主・徳川義直、文人画家・谷文晁(ぶんちょう)、幕末の志士・吉田松陰ら多士済々の人々が訪れた。しかし、明治維新で学校が廃止となり、一部の蔵書が散逸するなど混乱を極めた。

 織物買継商(かいつぎしょう)の木村半兵衛、旧足利藩士の相場(あいば)朋厚(ともあつ)らを中心に市民有志が学校と古書の保存活動に奔走。文人画家の田崎草雲も尽力したと伝えられる。活動の中で明治時代、大地主の阿由葉(あゆは)勝作は遺児・鍋蔵の集めた国書類573冊を「不朽に保存されるなら」と寄贈。また草雲を顕彰する蓮岱(れんだい)会は万葉集をはじめ草雲所蔵とされる683冊を、最後の足利藩主・戸田忠行は漢籍を含め数百冊をそれぞれ寄贈し、潤沢な国書が所蔵された。

 足利学校事務所の大沢伸啓(のぶひろ)所長(59)は「先人の活動が今になって生きるとは思わなかった。先人に感謝し、今後もしっかり受け継ぎ、保存活用していく」と話した。

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