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福島・大熊町、避難指示一部解除 立地のいわき・会津若松、仮設の営み淡々と

 ■「これからが正念場」

 東京電力福島第1原発の立地自治体で、初めて避難指示が一部解除される大熊町。住民の帰還に向けて除染や生活インフラの整備が進められてきた。一方で、避難先での町民の生活、県内各地に設置した町役場出張所の業務はこれからも続く。応急仮設住宅と出張所があるいわき市と会津若松市では、解除前日の9日も、淡々と普段通りの営みが続いていた。(内田優作、千葉元)

 町からの避難者数が最も多いいわき市には4月1日現在で4649人が住む。同市好間工業団地には町役場いわき出張所と並んで125戸の好間工業団地応急仮設住宅が立つが、あまり人の姿はみられない。

 住民の山本重男さん(69)が「ほとんど住んでいない。いくらもいないね」と教えてくれた。住民用駐車場に止まる車は数台。「うちは1台だけど、ほかの家は2台も3台も持っているから、世帯はこれより少ない」という。山本さんの入居する部分を除けば、ほとんどの棟に人が住んでいたことを想像するのも難しい状態だ。

 近くには県が建設した復興公営住宅がある。昨年1月から入居が始まり、6月には天皇、皇后両陛下が訪問された。これまで仮設住宅に住んでいた住民の多くはそこに転居したという。

 避難指示解除を翌日に控える中で、いわき出張所は「特に住民からの問い合わせはない」(環境対策課)と、日々の業務に当たっていた。

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 778人が避難している会津若松市にある同市最大規模の松長近隣公園応急仮設住宅。ピーク時には210戸に420人が入居したがいまでは片手で数えるほど。各戸には外れた網戸や「空室」の表示が目立つ。

 40代の会社員男性は7年前に入居。「2、3年前まではたくさん人がいてにぎやかだった。子供も多くてね」と話す。仮設住宅と県内の親類の家を行ったり来たりで、ここでの暮らしは長くない。近所付き合いの“距離”に悩むこともあったという。

 町で住んでいた地区の避難指示が解除されても、戻るかどうかは決めていない。「10年、20年先は分からないけど、今すぐ暮らせる町なのか分からない」。正直な気持ちだと言う。

 町役場会津若松出張所の男性職員はこう話した。

 「避難指示解除は第一歩にすぎない。これからが本当の正念場だ」

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