PR

地方 地方

【ミュージアム】安曇野ちひろ美術館(松川村) 企画展「かわいいものが好き」

「チューリップとあかちゃん」の前に立つと、赤ちゃんの無垢なたたずまいにいつの間にか癒やされる(いずれも安曇野ちひろ美術館提供)
「チューリップとあかちゃん」の前に立つと、赤ちゃんの無垢なたたずまいにいつの間にか癒やされる(いずれも安曇野ちひろ美術館提供)
その他の写真を見る(1/2枚)

 ■無垢な子供に癒やされる

 「寝ているばかりだったのに、きちんとお座りができるようになりました。偉いでしょ」

 赤ちゃんのつぶらな瞳に目を向けると、そのように語りかけられているようだ。

 指の1本ずつをまだおしゃぶりできず、まとめて口に入れているしぐさがあどけない。赤いチューリップは赤ちゃんの守護神か。花言葉は「愛の告白」。すくすくと育ってほしい-。そんな心持ちにさせてくれるのである。

 いわさきちひろが昭和46年に制作した「チューリップとあかちゃん」に描かれた子供はいかにも写実的で、無垢(むく)なたたずまいが見る者を癒やしてくれる。宗像仁美広報担当が言うには、「チューリップの生命力と赤ちゃんの生命力とを感じる作品」とのこと。

 企画展「かわいいものが好き いわさきちひろ展」には、約90点の作品が展示されていて、タイトルのごとく、会場には「かわいい」が満ちあふれる。水彩絵の具で色をつけてあり、水でにじませているから、柔らかい色合いが鑑賞者の目に優しい。「きっちり描き込まないのが晩年の画風の特徴」(宗像さん)なのだそうだ。

 ちひろが絵も文章も手がけた絵本「あかちゃんのくるひ」(至光社)の習作もある。初めてお姉さんになる少女の揺れる心を表現したもので、実際の絵本も置いてあるから、どの習作がどの絵に結びついたのか、照らし合わせてみると、創作過程を見て取れる。

 ちひろは「小さいもの」にも魅了されていた。子供はもとより、チョウや小鳥、猫などを多くの作中に描いている。「青い鳥と少女」(47年)には、就学前とおぼしき少女の眼前に、不意に訪れてきたのであろう小鳥がちょこんと止まっている。少女の心境やいかん。

 55歳という若さで亡くなったちひろの感性を思うとき、残された作品のすばらしさが身に染みる。(松本浩史)

                    

 安曇野ちひろ美術館 松川村西原3358の24。電話は0261・62・0772。長野自動車道安曇野ICより車で約30分。大人800円、高校生以下無料。第4水曜日休館。館長はちひろの作品に魅せられた黒柳徹子さん。企画展は5月13日まで。施設内には、世界の絵本をそろえる。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ