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静岡市長選 磐石の田辺氏を追う天野氏 勝負どころは清水区か

 統一地方選前半で、任期満了に伴う静岡市長選は7日の投開票まであと3日と迫った。今のところ、3選を目指す現職の田辺信宏氏(57)=自民推薦=が盤石の組織を背景にリードし、旧静岡市で市長を務めた新人、天野進吾氏(77)と県労働組合評議会顧問の新人、林克(かつし)氏(63)=共産推薦=が追う構図。各陣営は勝敗の行方を左右するとみられる清水区や、大票田の静岡市中心部などへの遊説を繰り返し、支持拡大を図っている。(田中万紀)

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 田辺氏は昨年から着々と選挙準備を進め、自民と連合静岡から推薦を受けた。葵区七間町の選挙事務所には壁一面に企業や団体の推薦状が200枚以上張られ、清水区分も含めれば推薦を得た企業・団体は400を超える。

 市議時代から地道に築いた後援会組織に加え、支援を受ける自民党市議の後援会や各自治会、連合静岡傘下の企業といった組織票を固めて安定した戦いを展開する。自主投票を決めた公明票の大半が田辺氏に回るとみられることも心強い。

 一方で、有力対抗馬と目されていた副知事の出馬断念で陣営内に楽観ムードが広がり、一部に組織の緩みが懸念されている。さらに、清水庁舎の建て替え問題や桜ケ丘病院の移転問題の影響もあって、清水区では遊説への反応が今ひとつ。陣営も「清水は弱い」と意識しており、選挙戦中盤に同区で約1500人を集めた総決起大会を開いて引き締めを図った。

 対抗する天野氏は、旧静岡市の市長を7年間務めており、葵区と駿河区での浸透度は田辺氏にも劣らず、林氏を大きく引き離す。中でも高齢者への知名度は抜群で、政党や大規模団体からの推薦は得られなかったものの、市長や県議時代を通じた長年の支援者や、田辺市政に批判的で県と市の関係改善を望む層からの熱烈な応援を受ける。

 街頭演説では、川勝平太知事との親密さを強調。当選したら市長補佐官として副知事を迎えて県と市の風通しをよくするという新たな公約を明言し、県と市の連携強化を強く打ち出す。

 ただ「清水区ではまだ『天野って誰』といわれる」(陣営幹部)といい、同区での運動量不足が懸念されている。そのため、同区の選対幹部に旧清水市長を起用し、関係者が中小企業や自治会に足を運んで支持を訴え、田辺氏の組織の切り崩しを画策している。

 「先行する2人に比べて知名度が全く足りていない」という林氏は、目玉政策に雇用環境の改善や新たな労働行政の確立を掲げて、「若者が希望を持てる街」をスローガンに、若者とその親たちに市政刷新を訴える。田辺氏の市政運営を「ハコモノ中心」と批判することで反田辺票を取り込む作戦だ。中でも、庁舎移転などをめぐり、田辺市政への不満が強い清水区は「反応がいい」と手応えを感じている。

 支援母体となるのが共産支持層と市民活動団体。その上に選挙に無関心な層を掘り起こして票を積み増ししようとSNSを積極的に活用し、若者を巻き込んだ路上ライブを敢行しながら1日10回以上の街頭演説をこなしている。

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