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【たばこと健康】在住外国人にも禁煙支援の輪を 群馬

 群馬県は、外国籍の人の多い県である。県の統計によると昨年12月末時点で、およそ5万6600人、県人口の2・9%を占めている。そこで、居住者数が多い上位10カ国について、県内の男女別居住人数およびその母国における喫煙率を調べ、県内居住者の喫煙者数を推計してみた。

 国別の男性喫煙率はインドネシアが最も高く、ブラジルが低い。女性では、群馬県が最も高く、ブラジル、ネパール、フィリピンと続く。ペルーの喫煙率データは得られなかった。喫煙が許される年齢は日本では20歳だが、韓国では「数え年」19歳、バングラデシュは15歳、その他の国々では18歳である。

 各国の受動喫煙対策は、公共空間や公共交通機関の禁煙化やたばこの広告規制が、WHO(世界保健機関)のたばこ規制枠組み条約の原則に忠実に実施されている。例えば、お隣の韓国では、2006年に政府機関と千平方メートルを超えるオフィスは禁煙とされ、15年には飲食店も全面禁煙化となった。今年はさらに、駅やバス停から10メートル以内は禁煙となった。

 フィリピンでは、17年に大統領令により公共の場やレストランが原則禁煙となり、ホテルの客室も全室禁煙化が進んでいる。またタイでは、加熱式たばこと電子たばこの使用は禁止されており、持ち込みもできないので旅行者は注意が必要である。

 県内在住の外国籍の喫煙者数は以下のように推計した。まず、国籍ごとの20歳以上の人数(成人数)を群馬県の男女人口に占める20歳以上の割合と同じと仮定して算出した。さらに、その人数に各国の喫煙率を掛けて喫煙者数を推計した。

 計算の結果を各表に示すが、県内には外国籍の喫煙者は男性5700人程度、女性は1千人程度いるものと推定される。ちなみに、県内全体の喫煙者数を同様に試算したところ、男性では約32万人、女性も10万人程度と推定された。

 日本に在留が認められた外国籍の人々は国民健康保険や健康保険組合などに加入できる。健康保険の加入者であれば、日本人と同様に禁煙治療を保険診療として受診できる。また、市町村や健保組合では、禁煙支援に力を入れるところも増えてきている。しかし、これまで外国人の禁煙支援までは手が回っていなかったように思う。

 今後、大学や企業が学生や従業員の健康管理を考える際には、日本人と同様に外国籍の人々についてもたばこ対策や禁煙支援を取り入れるべきであろう。そのためには、ベトナム語、中国語、ポルトガル語、タガログ語など外国語によるたばこの有害性や禁煙治療のパンフレットなどを整備する必要がある。

 群馬県医師会では1994年に英語やポルトガル語など4カ国語で外国人の診療ハンドブックを作成し、医療を提供してきた実績がある。出入国管理法も改正され、外国籍の住民はさらなる増加が予想される。そこで、外国人比率の多い群馬が先駆けとなり、外国籍の人々に対しても禁煙支援の輪を広げていきませんか。(高崎健康福祉大学教授  東福寺幾夫)

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