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【栃木この人】チーズ工房那須の森代表・落合一彦さん(74)

最近は営業や事務の仕事が中心という落合一彦さん。毎日、チーズも試食する=那須塩原市中央町
最近は営業や事務の仕事が中心という落合一彦さん。毎日、チーズも試食する=那須塩原市中央町

 ■国産コンクールで部門賞

 チーズに魅了され、国の研究機関を定年退職後、「チーズ工房那須の森」(那須塩原市中央町)を立ち上げて11年。優れた国産ナチュラルチーズを決める「ジャパンチーズアワード(JCA)」の非加熱圧搾・熟成4カ月以上部門で昨年、「森のチーズ」が最優秀部門賞に輝いた。

 これまで毎年出品を続けてきたが、部門賞は初めて。「チーズ作りは独り善がりになりがち。自分がおいしいと思うものが専門家にも評価された」と喜ぶ。

 チーズ作りを始めたのは約30年前。40代のころ、旅行先のフランスで食べたチーズがきっかけだった。「当時の日本にはおいしいチーズが少なく、『チーズはこんなにおいしいんだ』と自分でも作りたいと思った」と振り返る。

 畜産関係の研究機関で働いていたため、知り合いの酪農家らとチーズ作りを始め、自宅でも鍋や釜を使い挑戦。定年退職後は、那須塩原市内の民家を借り小さなチーズ工房を構え、本格的にチーズ作りを始めた。

 「今は法人化し、スタッフは私を含めて8人となったが、最初は2人。知り合いを中心に購入会員を募り、定期的に配達するところから始めたが、当時は味にもばらつきがあり、納得のいくチーズを提供できるまでには技術的にも苦労があった」

 現在、同工房で作っているのは最優秀部門賞に選ばれた「森のチーズ」をはじめミルクの風味が引き立ち、もっちりとした食感の「カチョカバロ」、裂けるタイプの「フィラータスティック」など6種類。その味は口コミで広がり、直売のほか、那須町、宇都宮市の土産品店や観光施設、専門店でも販売されている。原料は、いずれも乳成分が濃く風味がチーズ作りに適している国内で数少ない乳牛「ブラウンスイス」の牛乳を使っている。

 今回受賞した「森のチーズ」は自然のカビや菌、酵母の力で熟成したセミハードタイプのチーズ。穏やかな味わいで、熟成期間に応じて味に深みが出てくる。

 事業拡大に伴い、現在の工房は手狭となり、今月末、同市内の新店舗に移転する。「道楽で始めたチーズ作り。今後もオリジナリティーのあるチーズ、ワインだけではなく、日本食や日本酒に合うチーズ作りにも挑戦したい」 (伊沢利幸)

                   

 【プロフィル】落合一彦

 おちあい・かずひこ 昭和19年、北海道函館市生まれ。大学卒業後、農林水産省に入り、畜産の試験研究機関に勤務。定年退職後の平成20年、那須塩原市に「チーズ工房那須の森」をオープン。26年に法人化。大田原市在住。

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