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福岡県知事選 県内首長が自民分裂で割れる対応 県政への不満で新人寄りの発言も

 任期満了に伴う福岡県知事選(4月7日投開票)で、県内の市町村長が対応に苦慮している。自民党が現職の小川洋氏(69)と、新人の武内和久氏(47)で分裂しているためだ。政令指定都市など大都市の市長からは武内氏寄りの発言も出るが、一般市町村は選挙後も見据え、頭を悩ませている。 (小沢慶太)

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 「小川知事が嫌いということではない。ただ、意見が対立する課題を解決するという意思があるか、はなはだ疑問だ。どちらが新しいものを生み出し、前に進めていくか。武内氏の方が知事にふさわしい」

 告示日の21日、福岡市の高島宗一郎市長は、同県久留米市であった武内氏の出陣式で、声を張り上げた。

 高島氏はこの日、北九州市の集会でもマイクを握った。首長が自身の自治体を飛び出して、選挙の応援演説をするのは異例であり、高島氏の本気度をうかがわせる。

 高島氏が武内氏支援を決断した大きな要因は、子供の医療費助成をめぐる県の補助金だ。福岡市は「県からの補助比率が、政令市は一般市町村に比べ低い」と是正を求めてきたが、県は取り合わなかった。

 武内氏は、この点で、市に歩み寄る政策を示した。

 同じ政令市である北九州市の北橋健治市長も、告示前にあった記者会見で、医療費助成の問題や北九州空港へのアクセス鉄道整備などの政策を評価し、武内氏支持をにおわせた。

 元民主党衆院議員の北橋氏は、武内氏を推薦する自民党、特に麻生太郎副総理兼財務相とは距離がある。それでも告示日前日に武内陣営に「公務でどうしても(北九州である)出陣式に出席できないが、副市長を出す」と連絡を入れ、実際に梅本和秀副市長を派遣した。小川氏の出陣式には、副市長はいなかった。

 こうした行動の底流には、小川県政への「不満」がある。ただ、高島氏ほど態度を明確にできる首長はまれだ。

 福岡第3の都市、久留米市の大久保勉市長は21日夕、まず武内氏の集会に出席し、あいさつに立った。

 民間企業で経験を積んだ武内氏の経歴に触れ「県を発展させるには、厳しい環境で戦った経験がある人に期待をもっている」と持ち上げた。その一方、「福岡市、北九州市はいいが、県南の首長は県から予算をもらわないといけない」と吐露した。

 大久保氏はその後、市内の別の会場で開かれた小川氏の集会に参加した。そこで演説はしなかった。

 大久保氏は集会後、記者団に「県南の首長は予算など背負っているものが多い。(支持を)決断するかしないか、表明するかしないか、熟慮せざるをえない」と述べた。

 久留米市は、小川氏を支持する鳩山二郎衆院議員(福岡6区、二階派)の地盤だ。大久保氏は、武内氏への「共感」をにじませつつも、態度を明確にはしなかった。県南地域8市の市長(代理を含む)も、大久保氏と同様に2会場を渡り歩いた。

 財政規模が小さな自治体にとって、国や県から必要な予算を引き出すには、地元の国会議員や県議とのパイプが不可欠といえる。

 福岡県内の衆院11小選挙区は、自民党が議席を独占する。首長は自民の動向を気にせざるを得ない。

 町村長で構成する県町村会は、自民が武内氏を擁立するより前の昨年10月、小川氏支持を決定した。

 同会の会長は、大任町の永原譲二町長が務める。大任町は衆院福岡11区内にある。11区選出の衆院議員、武田良太元防衛副大臣(二階派)は、小川氏支持の急先鋒(せんぽう)であり、その影響を指摘する声もある。

 一方、遠賀郡の4町長は武内氏を支援する。遠賀郡は、麻生氏のおひざ元だ。

 同郡にある芦屋町長で、町村会副会長の波多野茂丸氏は2月、福岡市で開かれた武内氏の事務所開きで、こう語った。「麻生先生に足を向けては寝られない」

 知事選には、共産党県委員会副委員長の篠田清氏(70)=共産推薦=も立候補している。

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