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福島の力示した「はやぶさ2」 会津大は論文/県内工場で落下傘や電池開発

「リュウグウ」の模型を手にプロジェクトについて解説する会津大学の平田成上級准教授(内田優作撮影)
「リュウグウ」の模型を手にプロジェクトについて解説する会津大学の平田成上級准教授(内田優作撮影)

 小惑星「リュウグウ」に着陸した探査機「はやぶさ2」。リュウグウに「水」があるとの観測成果などが米科学誌サイエンス電子版に掲載された。論文作成に携わった日本人のうち7人は会津大学(会津若松市)の研究者や大学院生。極めて困難とされた着陸などを含め「はやぶさプロジェクト」には、同大をはじめ県内の製造所なども関わり、大きく貢献している。(内田優作)

 「はやぶさ2」は平成26年に打ち上げられ、昨年6月、リュウグウに到着。プロジェクトチームは特殊カメラや「衝突装置」と呼ばれる機器などを用いて表面の鉱物や構造を観測。分析を重ね、針の穴を通すような着陸を成功させた。

 チームは、さらに「近赤外分光計」で観測データを会津大の北里宏平准教授らを中心に分析し、リュウグウ表面に水を含んだ鉱物があることを明らかにした。

 同大の平田成(なる)上級准教授は「SfMモデル」と呼ばれるリュウグウの形状のモデルを作成、「コマ型」と呼ばれるリュウグウの形状を可視化した。また、同大の出村裕英教授もリュウグウの起源を探るにあたってデータ解析などを担った。

 論文は、こうした調査と分析によりリュウグウの「組成」「形状と構造」「起源」に迫ったもので、著者として出村教授、平田上級准教授ら教員6人と大学院生1人が参加。このうち北里准教授は組成に関する論文の主著者となった。

 会津大と宇宙開発のつながりは深く、はやぶさ2の前身となった「はやぶさ」プロジェクトでも大きな役割を果たした。プロジェクトは平成15年から22年まで7年間にわたり、エンジン停止や通信断絶などの困難を乗り越え、小惑星「イトカワ」の調査に当たったが、会津大はイトカワの形状や自転軸を表した3次元マップを作成した。着地や離脱に必要な重力は、この3次元マップを元に計算され、成功に大きく貢献した。

 はやぶさ2による探査では、会津大だけでなく県内の工場も貢献。地球への帰還用落下傘は船引町の藤倉航装工場が開発し、内蔵電池や通信機器、衝突装置などの開発や製造に同大のほか古河電池いわき事業所、日本工機白河製造所などが関わっている。

 出村教授は「価値ある科学雑誌に会津大の教員や大学院生が参加した論文が採択された喜びを、県民と分かち合えれば」と話した。その上で、東日本大震災後に「はやぶさ」プロジェクトの関係者から激励のメッセージを受けたことに触れ、「応援いただいた方々に、お礼申し上げたい」と感謝の言葉を述べた。

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