PR

地方 地方

好敵手、新たな交通の姿を模索 JRvs西鉄、中期経営計画に共通する「危機感」

西日本鉄道の倉富純男社長
西日本鉄道の倉富純男社長

 JR九州は19日、平成31年度から始まる3カ年の中期経営計画(中経)を発表した。国内の人口減少による市場縮小を「脅威」ととらえ、次世代の通信技術を活用した鉄道運行や、九州外での事業展開を盛り込んだ。2月に西日本鉄道が発表した中経も、持続可能な公共交通を研究するとした。好敵手の2社は、次の3年間で、交通事業者の新たな姿を模索する。(高瀬真由子)

 JR九州の中経は「次の『成長ステージ』に向けて」を主題とした。さらなる経営基盤の強化など3つの重点項目を掲げた。

 市場縮小や労働人口の減少、自然災害の頻発を、「脅威」と位置づけ、新たな視点で事業をとらえるとした。

 具体的には、鉄道の自動運転の実証実験を進める。小型無人機(ドローン)を活用した保守検査などで、省力化に取り組む。

 加えて駅ビルやホテル事業に、引き続き注力する。特に、博多駅の在来線上空を活用し、オフィスやホテルなどを建設する構想を明らかにした。「博多駅空中都市構想」と銘打った。

 3年後の連結売上高は、平成30年度(見込み)に比べ、1割増の4800億円とする。ただ、鉄道事業で固定資産税の軽減措置が今年3月末で終了することなどから、営業利益は同8%減の570億円とした。

 青柳俊彦社長は「一番大切なのは、鉄道事業の継続的な運営だ。減益を最小限に抑え、次の成長ステージに備える」と語った。

                 × × ×

 JR九州と西鉄に共通するのは、乗客減への強い危機感と、その対策だ。

 まず、九州域外での収益源の獲得を大きなテーマとした。両社はすでに、海外で不動産事業を進める。

 JR九州は新たな中経で、タイのホテル・マンション事業を例に、「強力なパートナーとの連携により、収益を拡大する」と掲げた。同社は、九州全域に鉄道網を保有する。過疎地も含む九州の衰退が、ダイレクトに社の衰退につながる。それだけに、海外で得たノウハウを九州に還元すると、強調した。

 一方の西鉄は、タイや台湾で新たにホテルを開業し、連結売上高の2割を、海外事業で確保するとした。海外で積極的に稼ぐ姿勢を打ち出す。

                 × × ×

 2社の中経は、新たな交通体系づくりに挑戦することを明記した。

 注目するのは「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」だ。鉄道やバス、タクシー、レンタカーなどさまざまな移動手段を組み合わせ、手配や決済を簡単にできるようにする。この技術開発に取り組む。

 西鉄の倉富純男社長は「シームレス(継ぎ目のない)な交通体系は、次の運輸業にとって大事なことだ」と説明した。

 JR九州の青柳氏は「車の自動運転は広がる。鉄道を必要としない時代がくるという危機感の表れでもある」と述べた。

 海外や不動産、新しい技術など、両社が手を伸ばす領域は重なり、今後も激しい競争が予想される。次の3年間が、九州の交通事業者2社の将来を左右する。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ