PR

地方 地方

【検証・小川県政】雇用 就職の機会は福岡市集中

 福岡県知事選をめぐり、「雇用」に関して、相反する2つの数字が出ている。

 「有効求人倍率が過去最高」。現職の小川洋氏は、「小川県政の成果」として、こう強調する。

 有効求人倍率は、職を求める1人当たり、何社の求人があるかを示す。高ければ、就職しやすい。

 確かに福岡県の有効求人倍率は平成30年6月、過去最高の1・63倍(季節調整値)となった。ただ、最新の31年1月は1・58倍(同)で、都道府県別では上から24位と全国平均(1・63倍)を下回る。

 一方、新人の武内和久氏は政策集で、平成29年平均の完全失業率が、悪い方から数えて全国2番目だとして「低空飛行を続けている」と批判する。

 福岡県の30年10~12月の完全失業率(推計値)は2・8%で、全国平均(2・4%)より悪かった。下には大阪府(3・6%)と沖縄県(3・1%)しかない。小川県政が始まった直後の23年4~6月期(5・6%)と比較すれば改善はしているが、全国的に低位が続く。

 この2つの統計指標は、矛盾はしない。

 景気の回復過程では、採用の間口が広がり、求人数は増加する傾向がある。そのため、有効求人倍率は上昇する。

 一方、求職者は、より働き口の多い地域に集まる。その結果、仕事がなく職探しをしている人の割合を示す完全失業率は、採用が盛んな都市部の方が高くなりがちだ。

 県や総務省統計局がまとめた「ふくおか経済統計ハンドブック」(29年6月改訂)では、福岡県で完全失業率が高止まりする要因として、九州各地からの人口流入に加え、雇用の入れ替わりが起きやすい第3次産業の比率が高い産業構造が想定されるとした。

 ■「地元」を離れる

 ただし、福岡県内の雇用状況が万全とはいえない。地域のまだら模様が目立つ。

 就職による引っ越しが多い20~24歳の人口の動きをみよう。

 福岡県がまとめた「人口と世帯年報」によれば、28年10月~29年9月の1年間、この年代は5万3273人の転入者に対し、5万243人が転出した。差し引き、3030人の転入超だった。

 だが、県内を4つの地域に分けてみると、福岡市を中心とする福岡地域だけが4717人の転入超で、他の3地域は転出超、すなわちマイナスだ。筑後地域では700人も減少した。

 15~19歳の転出入でも、同様の傾向が出ている。

 この数字は県外との行き来も含む。福岡県内の多くの地域では、就職を機に、若者が「地元」を離れているのは間違いない。若者の流出によって、地域の活力はそがれる。

 働き口の数など、雇用条件には自治体によって大きな差が存在する。だからこそ県には、60市町村のそれぞれに目配りした雇用対策が求められる。現状では、効果が出ているとは言い難い。

 (九州総局 中村雅和)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ