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【彩人国記】NEXCO東日本・関東支社の渋滞予報士・外山敬祐さん(33)

 ■10連休 快適なドライブへ努力

 ドライバーを悩ませる渋滞の発生を科学的に分析、予測する「渋滞予報士」と呼ばれる人がいる。今年の4月27日~5月6日のゴールデンウイーク(GW)は「10連休」となり、高速道路の渋滞が予想される中、NEXCO東日本・関東支社の渋滞予報士、外山敬祐さんに、快適なドライブの秘訣(ひけつ)などを聞いた。

 --渋滞予報士を目指した経緯は

 「父が転勤族で、子供の頃から引っ越しが多かった関係で、祖父母の家に帰省するのは車が多く、『どうして何もないのに急に渋滞が終わるのだろう』と不思議に感じていました。大人になって渋滞のメカニズムが分かり、就職活動では地図を見たり、広く人が動くことに関心があったのでインフラ系を志望しました。渋滞予報士を知ったのはそんなときですね」

 --なぜ渋滞予報士と呼ぶようになったのですか

 「平成19年に関東支社で初めて渋滞予報士をつくりました。ドライバーに渋滞への関心を持ってもらおうと、キャッチーなネーミングにしました。私で5代目です。今では全国で4人の渋滞予報士が活躍しています」

 --入社当時から渋滞予報士だったのでしょうか

 「資格が必要なものではなく、担当者への愛称です。僕は最初に土木職として入社し、札幌支社に配属されました。その後、新規の道路建設を担う部署などを経験しましたが、現場の状況を知らないことには渋滞予報士は務まらなかったと思います」

 --渋滞予報士の具体的な仕事は

 「渋滞の発生を予測し、ドライバーに混雑している日にちやルートを避けた分散利用を呼びかけ、渋滞を減らすことが仕事です。約半年先の予報を出します。これは目安として使ってもらうもので、2カ月前には確定した予報を出します。混雑期には、その1カ月前に記者発表をする形ですね。渋滞を減らすことが目的なので、どこの渋滞をどう減らすかについて企画立案もします」

 --どのような手法で予測していますか

 「過去3年分の渋滞をもとに予測しています。曜日の配列や周辺で開催しているイベントでも予測は変わります。例えば、昨年末から今年の年明けにかけて、千葉・木更津方面への渋滞が予測を上回りました。どうも木更津にあるアウトレットモールが大きくなった影響のようで、年末年始の買い物客が例年よりも多かったのでしょう」

 --気になる10連休の予測は

 「こればかりはフタを開けてみないことには分かりません。10連休を取得できる人が実際にどの程度いるのかを考えるところからスタートですね。今回の予報は難しいですが、最善を尽くした。発表をお待ちください」

 --そもそも渋滞が生じる要因は

 「一言で言えば、渋滞とは時速40キロ以下の低速走行状態になることを指します。ドライバーの人たちは道路工事や事故が渋滞の原因と思っているかもしれませんが、実は渋滞のうち交通が集中する『自然渋滞』が75%も占めます。このうち6割は『サグ』という下り坂から上り坂に変わる凹部で発生しています」

 --具体的には

 「つまり、ドライバーは上り坂に変わったことに気付きにくく、無意識のうちに速度が低下しています。交通量が多い場所では、先頭車両のわずかな減速で後続車両がブレーキを重ね、渋滞になりますが、先頭車両のドライバーは自身が渋滞を引き起こしていることに気付きません。これを改善するため、サグ付近には『速度低下に注意』といった表示板を設置するなど渋滞の予防を呼びかけています」

 --ドライバーに伝えたいことは

 「渋滞予報は結果として渋滞が起きないようにするのが目的ですから、予報を見て分散運転するドライバーが増えれば、予報が外れる形になります。ただ、予報士として渋滞が減ることは使命を果たせたのかなと思います。渋滞をなくすにはドライバーと私たちが協力し合う『かけ算』がなければ成り立たないと考えています」(飯嶋彩希)

                   ◇

【プロフィル】とやま・けいすけ

 浜松市出身。千葉大院卒。平成23年に入社し、28年から現職。33歳。

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