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日田彦山線復旧協議は結論先送り 開始から1年、溝埋まらず

 平成29年7月の九州北部豪雨で一部区間が不通となっているJR日田彦山線について、JR九州社長と福岡、大分両県、沿線3市町村の首長が出席する復旧会議が15日、福岡市内で開かれた。4月までに方向性を決める予定だったが、復旧後の運行支援に関して合意ができず、協議は継続となった。 (高瀬真由子)

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 トップによる会議は3回目で、非公開で行われた。

 終了後のJR九州などの説明によると、JR九州が、復旧後の鉄道維持への財政面などの支援を求め、自治体側は応じない姿勢を貫いた。

 不通区間は当面、バスによる代替輸送が続く。議論がまとまらなければ、バス輸送への転換論が浮上する可能性もある。

 日田彦山線の協議は、昨年4月に始まった。鉄道での復旧を前提に話し合いを進めた。

 JR九州によると、不通区間の災害前の収支(平成28年度)は、2億6千万円の赤字となっている。同社は、設備の維持費に相当する年1億6千万円の収支改善が必要として、自治体側に財政負担などを要請した。この要請を自治体側は拒否した。

 協議は当初、今年4月までに結論を出す予定だった。そこでこの日、トップ会談を設定したが、溝は埋まらなかった。

 福岡県の小川洋知事と大分県の広瀬勝貞知事は、4月に知事選を控えている。安易な妥協はできない。もともと関係者には「選挙が終わるまで、突っ込んだ議論はできない」との見方が強かった。

 JR九州の強い姿勢にも理由がある。

 同社は今後、各地にある不採算路線の問題について、沿線自治体に協議を求めていく。日田彦山線の議論はその試金石となり、「鉄道維持への支援」という条件は譲れなかった。「鉄道事業の収支改善への、社長の意志は固い」(同社幹部)という。

 協議終了後、JR九州の青柳俊彦社長は「継続的な運行を確保する点で、課題解決に至らなかった。事業者として、コスト削減など収支改善には限界がある」と語った。福岡県の小川氏は「鉄道で復旧し、運行支援は再考を求めるのが、沿線自治体の総意だ。JR九州が交通ネットワークをどう考えているのか、改めて出してほしい」と述べた。

 JRと自治体は5月上旬ごろまでに、トップ会議を再び開く。原則論をぶつけるだけでなく、知恵を絞らなければ、隔たりは埋まりそうにない。

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