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ご即位30年を記念して京都御所で纛旛や獅子狛犬、調度品公開

初めて公開された獅子狛犬像 
初めて公開された獅子狛犬像 

 天皇陛下のご即位30年を記念し、京都御所(京都市上京区)の特別公開が行われている。京都御所は明治、大正、昭和の即位礼が行われた歴史的な場所。新天皇のご即位を目前に控えた今しか見られない貴重な品々を求めて多くの人が足を運んでいる。(南里咲)

 入り口である宜秋門(ぎしゅうもん)をくぐり諸大夫の間をのぞくと、巨大な一対の旗「「日像纛旛(にっしょうとうばん)・月像纛旛(げっしょうとうばん)」(縦5メートル45センチ、横90センチ)が姿を現す。纛旛とは竿頭(かんとう)に糸飾りがついた錦織の旗のことで、昭和3年に行われた昭和天皇の即位礼で庭に立てられた調度品。日像は金糸で太陽を、月像は銀糸で月を刺繍(ししゅう)している。

 次に大臣宿所では、慶応4(1868)年に行われた明治天皇の即位礼で、天皇の前に並んで置かれた獅子狛犬(こまいぬ)像を初めて公開。木製の像には漆箔が押されており、獅子は金色、こま犬は変色しているが元は銀色だったとみられる。

 その横に並ぶ「鳳凰(ほうおう)・麒麟の図」は、明治天皇の即位礼で天皇が立たれた「御帳台(みちょうだい)」に描かれたもの。鳳凰と麒麟は優れた天子が世の中を治めるときに現れる動物とされ、天皇のみが着ることが許される祭儀の正装「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」にも文様として織り出されている。大正4(1915)年の即位礼に合わせて製作され、今年10月に皇太子さまが即位を宣言される舞台「高御座(たかみくら)」にもこの図柄が受け継がれている。

 京都御所で最も格式の高い正殿「紫宸殿(ししんでん)」では、広々とした中庭から奥に立てられた障壁画を眺めることができる(原本を保護するため模写したものを公開)。下絵が描かれたのは寛政2(1790)年。天子を支える名臣を表した「賢聖(けんじょうの)障子(しょうじ)」(縦2メートル45センチ、横2メートル60センチ)は中央に獅子狛犬を、その左右に諸葛亮(しょかつ・りょう)など中国の殷から唐時代にかけての賢人ら32人を描く。昔から中国の儒教思想では、徳の高い君主の元には功臣が集まり、君主も功臣らを重んじるよう説いていることから、人物の上部には各賢人の功績を記している。

 皇居・宮殿で10月に行われる即位礼正殿の儀に合わせ、紫宸殿に置かれていた高御座と御帳台が皇居に移されているため、現在は紫宸殿の内部を見渡すことができる。今だけの貴重な機会だ。

 池を備えた日本庭園の横にたたずむ小御所では、御簾(みす)に添えて掛ける幕「帽額(もこう)」(縦1メートル56センチ、横27・5メートル)を展示。大正天皇と昭和天皇の即位礼で紫宸殿の正面に掛けられたもので、金色の太陽と瑞雲が描かれている。

 出口である清所門近くには、最後の展示となる襖(ふすま)絵「朝賀図」(縦1メートル70センチ、横82センチ)がある。朝賀とは元旦に皇太子や臣下らが宮中に集まり、天皇に対して新年を祝う儀式で、奈良時代から平安中期にかけて行われた。年中行事でありながら、一世一代の大礼である即位礼と同じ形式で行われた唯一の儀式でもある。朝賀図では、高御座に座る天皇に向かって庭で祝賀を行う場面が描かれており、往時の宮中の様子を克明に知ることができる。

 特別公開は21日まで。問い合わせは宮内庁京都事務所(075・211・1211)。

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