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福岡知事選告示まで1週間 宿泊税が争点に浮上

 ■小川氏「県がやるべき」×武内氏「二重課税はしない」

 任期満了に伴う福岡県知事選(21日告示、4月7日投開票)で、県と福岡市の協議が暗礁に乗り上げた「宿泊税」が、争点の一つに浮上してきた。3選を目指す現職の小川洋氏(69)は「県がやるべきだ」と主張する一方、元厚生労働官僚の新人、武内和久氏(47)=自民推薦=は「二重課税はしない」と、市の単独課税を認める考えを示している。 (小沢慶太)

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 「広域的な観光振興は県の役割と認識している。その財源確保は県がやるべきだ」。小川氏は11日、公約発表の記者会見で宿泊税について、従来の方針を強調した。

 県は昨年10月末、宿泊料に関わらず1人1泊当たり一律200円を課税する案をまとめた。これに対し福岡市は、宿泊料2万円未満は200円、2万円以上は500円を課税する案を有識者会議の報告として公表している。

 宿泊税問題がこじれた原因に、小川氏の調整力やリーダーシップの欠如を挙げる声は、県議会に根強い。

 小川氏は議会に促され、高島宗一郎市長にトップ会談を呼びかけた。だが、そのタイミングが、皇族が出席する式典に際してだったり、市長選の直前だったりした。「こちらの都合を考えていない」(市関係者)と、両者の関係は冷え切った。

 県と市は11月下旬から実務者レベルの協議を4回持ったが、いまだに着地点は見いだせていない。

 小川氏は、県と市双方による「二重課税」を容認する。福岡市内で二重課税となった場合、県の課税を100円に減額する譲歩案も示している。

 ただ、宿泊税は客が負担し、宿泊施設が実際に納める。二重課税となれば、旅行客の税負担に加え、民泊業者も含めた宿泊施設の事務作業の増大も懸念される。

 小川氏は、多くの外国人旅行客が見込まれる2020年東京五輪・パラリンピックまでの宿泊税導入を目指す。

 ◆不毛な対立

 武内氏は1日に公約を発表し、宿泊税について「基礎自治体(市町村)優先の原則を尊重し、二重課税は行わない」と強調した。

 課税そのものは市に譲る一方で、「税収の一部を、県内全域の回遊性を高める環境整備に充てるよう、高島氏と協議する」とした。

 武内氏は現在の県と福岡市の関係を問題視し、公約で、北九州市も加えた2つの政令指定都市との連携強化も打ち出す。1日の記者会見では「県と福岡市の不毛な対立にピリオドを打つ」と、小川氏の失点を当てこすった。

 この武内氏の主張に対し、小川氏は「市税として徴収した財源を、市の区域を越えた広域的な観光施策に充てるのは現実的ではない。むしろ県が税を集めて福岡市を含めて配るのが普通の考え方だ」と反論した。自民県議の中にも「県がやるべきだ」とする意見があり、県議会との調整も課題となる。

 武内氏には、福岡市との連携強化を強調することで、小川氏との対立軸を鮮明にし、高島氏の支援を得たいという思惑もある。

 現職という分厚い壁に挑む武内氏にとって、過去最多得票で3選した高島氏の支援は、是が非でもほしいのが本音だ。

 高島氏にも近い武内陣営の関係者は「高島氏にとって選挙の勝ち負けは二の次。正しいか、正しくないか、あくまで政策本位の判断をするだろう」と話した。

 共産党福岡県委員会副委員長の新人、篠田清氏(70)=共産党推薦=は、宿泊税の導入について「一旦は凍結する」と主張する。観光客への負担増や違法民泊の取り締まりなどの課題を挙げ、「県と市が話し合い、拙速にしないことが大事だ」と訴える。

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