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最後の「希望の明かり」 名取、なくなる仮設住宅

仮設住宅が並ぶ愛島東部団地で追悼式が行われ、竹灯籠に明りが灯された。入居者も減り今年が最後だという。参加した仙台市の大学4年、伊藤ちひろさん(22)は「この団地にはボランティアで来ていた。8年経ち、町は復興しているかもしれないが、心の復興はまだまだと感じる」と話した=11日午後、宮城県名取市(松本健吾撮影)
仮設住宅が並ぶ愛島東部団地で追悼式が行われ、竹灯籠に明りが灯された。入居者も減り今年が最後だという。参加した仙台市の大学4年、伊藤ちひろさん(22)は「この団地にはボランティアで来ていた。8年経ち、町は復興しているかもしれないが、心の復興はまだまだと感じる」と話した=11日午後、宮城県名取市(松本健吾撮影)

 宮城県名取市の内陸部にある愛島(めでしま)東部仮設住宅。住民らと兵庫県から訪れたボランティアによる追悼式が行われた。かつて暮らした住民も集まり、地震発生時刻の午後2時46分、約70人が「3・11 メデシマ どうもね~」と並べた竹灯籠約700個の明かりを囲んで黙祷した。

 市内では3月末、もう一つの応急仮設住宅が閉鎖される。愛島東部には住民4世帯16人が残るが、家の再建ができ次第、転居する予定で、ここでの追悼式は今回が最後だ。

 「8年がたつのは早かった。この仮設住宅は閖上(ゆりあげ)に次ぐ第二の故郷。人が集まって楽しい場所だった。竹灯籠が、ここでもう行われないと思うと寂しい」

 3姉妹で参加した名取市高柳に住む高橋妙子さん(70)は29年6月まで、この仮設住宅で暮らしていた。震災の津波で4人姉妹のうち3女が亡くなった。

 「ここは閖上と同じ、人付き合いの温かさがあった。いまは近所との関係も希薄。ふるさとがなくなった気がする」と話した。

 竹灯籠での追悼は神戸の市民団体「神戸・心絆(ここな)」や災害ボランティア支援拠点「ひょうごボランタリープラザ」が行った。灯りは阪神大震災の鎮魂と復興を願う「1・17希望の灯り」(神戸市)から分灯した。

 同住宅自治会の菅原忠男会長(69)も5月に閖上に引っ越す。「住民がいないところでやっても寂しい」と話し、同プラザの高橋守雄所長(70)も「来年は新たな暮らしが始まった閖上で行う予定」とした。(高梨美穂子)

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