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津波は桁違いに速い 旭市防災資料館の戸井館長、防災教室で自主避難徹底訴え

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 「次世代を担う子供たちが津波被害に遭わないように、自主避難の徹底を伝えていかなければならない」。東日本大震災から8年を迎え、震災記録を展示する旭市防災資料館(同市萩園)の戸井穣(ゆたか)館長(74)=同市飯岡=は、防災教育の重要性を改めて訴えた。

 今後、同館では震災の記憶の風化を防ぐためのリニューアルを来年度中に実施する。展示内容の刷新とともに、資料の劣化防止策としてデジタル化を進めるほか、市内全小学校を対象とした防災教育の受け入れ態勢を強化する。

 同館は震災後、津波被害で営業休止状態にあった国民宿舎の一部を、市が改修して平成26年7月に開設した。地震発生から津波が到達して市内に大きな被害をもたらすまでの状況を、写真や映像、新聞記事などで伝え、被災者の体験談なども展示。国内の自主防災組織や学校、ボランティア団体などのほかカナダ、中国、韓国など海外からも人が訪れ、来館者は今年2月末までに延べ3万5千人を超えた。

 館内には、全国から寄せられた数多くの応援メッセージも展示している。旭市の姉妹都市として交流がある長野県茅野市の子供会から23年7月に送られてきた寄せ書きには、「早く元気になってください」「応援しています」といった文字とともに、数々の写真が添えられている。ただ、長期間の展示でインクが退色し、読めないものも増えた。

 「メッセージをくれた子供たちが先ごろ資料館を訪ねてきて、懐かしそうに寄せ書きを見ていた。文字が薄れて写真も色あせてきたので申し訳ない気持ちになった」と戸井さんは話す。そんな思いから市に相談し、資料の劣化を防ぐためのデジタル化が決まった。

 また、開館当初から館長を務める戸井さんは4年前に防災士の資格も取得し、同館で開く防災教室にも関わってきた。「多くの子供たちに災害について学んでほしい」と、市内の小学校にも参加を呼びかけたが、移動手段の都合などでごく一部の学校しか参加していないという。

 市はこうした現状を受け、市内15の全小学校に小学3年生の授業で同館を見学するよう要請。学校が利用する民間バスの借り上げ料を市が負担することも決め、関連経費を新年度予算に計上した。

 戸井さんは「津波の速度は想像以上。桁違いに速いということを知らせ、津波の恐ろしさを真剣に考える機会にしてもらいたい」と、子供たちの防災意識向上への熱意を語った。(城之内和義)

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