PR

地方 地方

【埼玉経済ウオッチ】「翔んで埼玉」快進撃 映画・ドラマは大きな波及効果

Messenger

 映画「翔(と)んで埼玉」が大きな話題を呼んでいる。興行やコラボ商品も好調で埼玉経済への波及効果が期待されている。県内を舞台にした作品では、テレビドラマ「陸王」も行田市に大きな経済波及効果を与えた実績があり、「埼玉」のポテンシャルは高い。撮影場所を提供する「フィルムコミッション」や地元企業とのタイアップも作品を盛り上げる重要な要素となっており、県内経済に与える影響は大きい。

 翔んで埼玉の勢いが止まらない。2月22日に公開され、週末3日間で興行収入3億3千万円を突破し、興行ランキング1位となった。都道府県別の興行収入では埼玉県が全国1位だった。

 映画は「パタリロ!」などで知られる魔夜峰央氏の同名コミックが原作。埼玉から東京に入るために通行手形が必要とされる架空の世界が舞台。徹底的に埼玉を侮辱・皮肉るなどディスった作品でありながら、県内で多くの観客を動員しているのは、県民のおおらかさや、従来乏しいといわれてきた「郷土愛」が強いということにほかならない。

 大ヒットの要因は公開前からの宣伝やプロモーションの効果も大きい。公開前に監督や出演者が上田清司知事を訪問し、謝罪する演出もあった。知事の“公認”を取り付けたことで映画が広く知れ渡った。

 また、多くの地元企業が映画製作に協力している。製作委員会に名を連ねる地元のテレビ埼玉は県内のプロモーションを担当。銘菓「十万石まんじゅう」は映画にも登場し、コラボ商品を販売している。アイス製造・販売の「ガリガリ君」の赤城乳業や西武鉄道、埼玉高速鉄道、浦和レッズなどもコラボ企画を実施し、「オール埼玉」で映画を盛り上げている。

 テレビ埼玉の出口雅史編成部長は「公開当初は弊社にクレームの電話が多かったが、激励の電話の方が上回りつつある」と話す。日増しに作品の評価が高まっているという。ディスられるのを逆手にとって、一緒に盛り上げようとする県内企業の姿勢も興行の好調につながっている。

 一方、県内を舞台にした作品では平成29年10~12月に放映されたドラマ「陸王」が人気を呼び、大きな経済波及効果をもたらした。行田市の足袋メーカーが舞台の作品だったが、4万人以上のエキストラが参加。県統計課の試算によると、放映中3カ月間の行田市への観光客増加人数(日帰り)は31万4千人、その他関連グッズや鉄道利用などの経済波及効果額が約10億2千万円、雇用誘発人数は83・4人という。

 「県ロケーションサービス」を運営する県物産観光協会と連携して撮影誘致に取り組む県観光課によると、県内の撮影実績は27年度が332本、28年度644本、29年度716本と着実に増加している。県観光課の矢内孝司観光・アニメ担当は「翔んで埼玉はフィクションですが、タイトルに埼玉も入っており、埼玉への関心を高める大きなチャンス。撮影現場などをきっかけに県内を観光し、本当の埼玉を知ってもらいたい」と話す。

 フィルムコミッションを後押しし、埼玉の魅力を伝えることで、県内への経済波及効果も期待できる。興行収入が30億円以上が見込まれている翔んで埼玉が県内経済にどれだけの波及効果をもたらすのか、県統計課による分析が待たれる。(土持功・東京商工リサーチ埼玉支店長)

                   ◇

【プロフィル】つちもち・いさお

 昭和47年、宮崎県生まれ。立正大学卒。平成10年東京商工リサーチ入社。東京支社調査部を経て、27年6月より現職。趣味はサッカー(最近は観戦が主)、ランニング。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ