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働き方改革、旅館も週休3日 秦野の「元湯 陣屋」、業務効率化で求人や給与にも好影響

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 「月、火、水は宿泊がお休みになります」。将棋、囲碁のタイトル戦の舞台にもなっている秦野市の旅館「元湯 陣屋」は週3日、宿泊客を取らない。年中無休のイメージが強い旅館やホテルで週休3日制導入など、働き方改革の動きが出ている。外国人観光客の増加や来年の東京五輪・パラリンピックに向けて宿泊業界は活況だが、長時間労働が敬遠され、人手不足は深刻だ。労働環境の見直しで、優秀な人材確保につなげる狙いもある。  

 鶴巻温泉の老舗旅館「元湯 陣屋」では平成21年以降、紙の予約台帳を廃止するなど業務を一元管理するシステムを採用。さらに、フロント係はフロントだけ、清掃係は清掃だけというこれまでの分担を変え、1人がさまざまな業務に対応できるようにした。

 ◆収益も安定して伸び

 結果、正社員20人、パート・アルバイト100人の体制から、正社員27人、パート・アルバイト15人に減った。元々は無休営業だったが26年に週2日の定休日を導入した。

 初日は前日宿泊客のチェックアウトがあり、半休になるため、週3日の休みとした。順調だった収益が26年は頭打ちになったが、現在は安定して伸びているという。

 総人件費が減り、1人当たりの給与も上がった。社員の平均年収は21年度は288万円だったが、29年度は408万円に増加。宿泊・飲食業の平均年収253万円に比べると高い水準だ。

 改革に取り組むおかみの宮崎知子さん(41)は「離職率が下がり、採用選考への応募も増えた」と話す。従業員はイヤホンを着け、スマートフォンやタブレットを持ち、情報を共有する。

 入社2年目の遠藤智織さん(24)。フロントや宴会の窓口をこなすが「手が足りない」と要請があると、素早く清掃や接客にも回る。

 ◆IT化も不可欠

 「休みがなく、給料が少ないのが旅館やホテルで働く現実だと思っていたので、これほどプライベートの時間が持てるとは思わなかった」と話す。今年1月には3連休で大阪、京都に旅行した。

 年末年始の繁忙期を終えた今年1月、10日連続で休業したというホテルもある。約800人いる従業員全員が長期休暇を取得できるようにするのが目的だ。ここでは昨年も10日連続で休業し、売り上げは減少したものの、今春入社の採用活動で応募者が前年の約1・5倍に増えたという。

 サービス産業の働き方に詳しいリクルートワークス研究所の城倉亮主任研究員は「宿泊業は高齢化が顕著で、今後、さらに人手不足に陥る恐れがある。業務の効率化、IT化などを通じて仕事の見直しを進めることが不可欠だ」と指摘している。

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【用語解説】鶴巻温泉

 秦野市の東部にある温泉地。明治期に開湯した。泉質は食塩泉で、カルシウムの含有量が多いとされる。泉温は37度で、リウマチや婦人病に効能があるといわれる。小田急小田原線と国道246号が通っており、週末の利用者が多い。

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