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国計画の除去土壌の再生利用難航 福島県内、住民反対で一部工事中止

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 東京電力福島第1原発事故に伴う除染土壌の処理をめぐり国の計画が難航している。環境省は中間貯蔵開始後「30年以内の県外最終処分の方針」を示しているものの見通しが立たない中、前段階として行う除去土壌の再生利用事業も住民の反対で一部工事が中止されるなど、対応に苦慮している。(内田優作)

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 平成23年の事故後、除染で発生する県内の除去土壌は約1400万立方メートルとされる。中間貯蔵開始から30年以内の県外最終処分に向け国が必要な策を講じると法で定めたものの処分方法や用地は決まっていない。同省は28年、「使用できる土は最大限使い最終処分量を減らす」と県内での再生利用実証事業に乗り出し、8千ベクレル以下の土壌は農地や道路の整備に使うとした。

 同省は29年、南相馬市小高区の仮置き場で、整備した場合の影響を調べる実証実験を開始。除去土壌の上に覆土を重ねた高さ約2・5メートルの盛土をつくり空間線量や地下水、人への追加被曝(ひばく)線量などを測定した。同省は「いずれも問題がないことが確認された」と安全性を強調している。

 現在は帰還困難区域の飯舘村長泥地区で農地への活用実証の準備が進められている。かさ上げに使った除去土壌を遮蔽材で覆った上に土を重ね、作物を植える計画だ。昨年9月に整備工事が始まり、5月にも作付けに入りたい意向だ。

 難航しているのが住環境付近で行う実証事業。同省は二本松市と南相馬市を候補地としたが、いずれも住民の反発を受けている。

 二本松市では29年12月、市道約200メートルの整備に使う計画が発表されたが、住民説明会で反対の声が強く昨年6月、工事業者との契約を解除するに至った。同省は「現在は再検討の状態」とし、市は「環境省の計画。こちらから言うことはない」と静観の構えだ。

 南相馬市小高区では、除去土壌を常磐道4車線化の工事に使う計画。昨年12月、市や地元区長に説明を行おうとしたが区長が反発、説明もできていない。地元住民も3055人分の反対署名を集めて門馬和夫市長に提出、住民は「事故で苦労したのに、なぜ(汚染土を)福島で使うのか」と訴える。環境省は別の区長に事業の詳細を説明し理解を求めたい考えだが、状況は厳しい。

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