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下関市、クルーズ受け入れ強化へ 外国人観光客誘致狙う

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 山口県下関市は4月から、外国人観光客の増加を目指し、一度に数千人単位で人を呼び込めるクルーズ船の受け入れ態勢強化に乗り出す。市西側の沖合人工島「長州出島」で、クルーズ専用着岸施設の整備を始めるほか、観光案内ブースの開設やトイレの洋式化など、ハード・ソフト両面で態勢を整える。(大森貴弘)

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 長州出島は昨年4月、岸壁を延長し、現在は世界最大級の22万トン級の客船が寄港できる。ただ、貨物船と共同利用で、クルーズ船の着岸は火・土・日曜の週3日に限定。寄港の増加を妨げる要因になっている。

 このため4月から、クルーズ専用の着岸施設の整備に着手する。

 昨年12月、市は世界最大級のクルーズ船運航会社、MSCクルーズ(スイス)と手を組み「国際旅客船拠点形成港湾」の指定を、国土交通省に申請した。認められれば、クルーズ用岸壁の整備を、国の直轄事業で実施できる。

 市は指定を見越し、岸壁の後背地となる埠頭(ふとう)部分の整備に着手する。地盤改良や舗装などの費用として、平成31年度当初予算案に8億6千万円を計上した。事業は34年度まで4年間の予定で、総額25億円を見込む。

 市が整備した埠頭部分には、MSCクルーズが、待合所や入管施設が入る旅客ターミナルを建設する。国と市、同社の3者が協力し、35年度の運用開始を目指す。

 専用岸壁の整備で、受け入れ能力は現状の2倍以上になるという。市港湾局の担当者は「専用岸壁ができれば、受け入れ日程がかなり柔軟になる。運航会社にとって下関を旅程に組み込みやすくなるはず」と期待する。

 ハード整備と並行し、ソフト面での態勢作りも進める。

 大型のクルーズ船が寄港した際、旅客の混乱を防ぐため、臨時の案内ブースを設置する。昨年4月、17万トン級のクルーズ船が寄港した際に始めたところ、好評だったため、4月から本格的に実施する。

 長州出島のほか、主要観光地である唐戸地区や長府地区、JR下関駅などに設ける。英語、中国語を話せるボランティアを配置し、観光相談などに応じる。31年度当初予算案には、ボランティアの交通費などとして120万円を盛り込んだ。また、市内の赤間神宮や唐戸市場など、クルーズ旅客が多く訪れる観光地周辺の公衆便所で和式トイレを洋式化する。外国人向けの案内なども表示する。韓国・釜山との定期航路、関釜フェリーのターミナルでも、全15基あるトイレを全て洋式便座に変えるなど、リニューアルする。一連の工事には、計4千万円を投じる。

 昨年1年間、下関市には37回、クルーズ船が寄港した。約10万人の旅客が訪れ、買い物などの消費額は約20億円と推定される。市は今後の集客策強化で、さらに経済効果を高める方針だ。

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 下関市は、一般会計を1145億円とする平成31年度当初予算案を発表した。10月から実施される幼児教育無償化に伴って扶助費が増え、前年度比0・2%(2億2500万円)増加した。クルーズ船の受け入れ事業に加え、関門海峡沿いの埋め立て地、あるかぽーと地区で、グランピングと呼ばれるぜいたくキャンプの実証実験に取り組むなど、町の活力向上に取り組む。

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