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スマート農業、千葉県内でも広がる 省力化や生産性向上に期待

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 あらゆるものをインターネットでつなぐ技術(IoT)を活用し、データの見える化や生産性向上などにつなげるスマート農業の取り組みが県内でも広がってきた。担い手不足への対処や農家の収入増などにつながると期待されているためだ。県も今年度から実証実験を行っており、官民が連携し、普及を後押ししている。(永田岳彦)

 観光客向けのイチゴ園が幹線道路沿いに多く立ち並ぶ山武市。14棟のビニールハウスで「さちのか」や「チーバベリー」など10品種のイチゴを栽培する「小手苺(おていちご)園」では昨年10月から県やNTT東日本とともにIoT技術を導入したイチゴの生産に取り組んでいる。

 ビニールハウスにカメラやさまざまなセンサーを設置。専用のアプリを介してスマートフォンやタブレット端末でハウス内を離れた場所から確認できるほか、ハウス内の温度、湿度、二酸化炭素濃度などを定点観測できるようになった。

 8年ほど前からイチゴ栽培を続けている同園園主の梶茂樹さん(46)は「自身の経験や先輩たちに言われていたことがデータとして見えるようになり、細かい対応ができるようになった」とメリットを明かす。

 例として挙げるのが、イチゴの光合成を助けるため、ガスなどを燃やしてハウス内に注入する方法で行う「二酸化炭素濃度の調整」だ。従来は、周囲の先輩農家の話や自身の経験から、日の出前の午前4~6時に行っていたが、データ収集を始めると、午後に二酸化炭素濃度が減っていることが分かった。

 今では朝は30分程度ガスなどを燃やすだけで、日中、二酸化炭素濃度の低下に合わせて二酸化炭素を注入するようにし、効率的な運用で燃料費のコスト削減も見込めるようになったという。梶さんは「昨年までと比べて、イチゴの粒が大きく、成長も早い」と笑顔を見せる。

 NTT東日本の担当者も「得られたデータが蓄積していけば、効率的な生産や収量増にもつながる」とスマート農業の意義を強調する。

 県も今年度300万円の予算を計上して、水稲栽培でのGPS機能付きトラクターの投入や、果樹園の下草を刈るロボット除草機の導入など5件のスマート農業実証実験を実施。担当者は「農家の高齢化で担い手も減る中、省力化や生産性向上などにつなげたい」と話す。

 県は来年度以降も民間と連携し、引き続き、スマート農業の普及に向けた取り組みを進める方針だ。

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