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南アルプス市立美術館「白籏史朗-世界の名峰を撮る」 夢追い人の人生観伝える

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 1月12日にリニューアルオープンした南アルプス市立美術館を訪ねた。合併前の平成3年、「櫛形町立春仙美術館」として開館。地元出身の日本画家、名取春仙らのコレクションで知られた。28年に現在の名称に変わり、年明けまでに増改築を終えた。最初の「ピカソ展」(1月12日~2月11日)には過去最高の約2万1千人が訪れた。

 現在は昭和8年、大月市に生まれた山岳写真家、白籏史朗氏の写真展「白籏史朗-世界の名峰を撮る」を開催している(3月27日まで)。

 白籏氏は昨年10月、同館に約240点の作品を寄贈した。矢野晴代・主任学芸員は「南アルプスの撮影が山岳写真家としての原点だったこともあり、当地とご縁があるんです」と話す。

 今回はヒマラヤ、カラコルム、カナディアン・ロッキーを取材した41点を展示した。館外に見渡せる南アルプスの風景も雄大だが、山に親しんだ市民に、8千メートル級も含む世界的な山々の迫力や表情を体感してもらうのが、企画の狙いだ。

 「K2峰 8611m ゴドウィン・オースチン氷河から」など横2メートル、縦2・5メートルの大作は圧巻。白籏氏は「ベースキャンプから近づいた分だけ、山容がひときわ威厳を増して大きく迫ってくる」と同作についてコメントしている。

 白籏氏は「時間を構わずに腰を据えるのはいつものこと」というように、1テーマに約3年間をかけ、現地との往復を重ねて約5万枚を撮影するという。ヘリコプターなどは使わず、自力で撮影ポイントを探すのだから、登山技術も並外れている。

 しかも、岩肌の質感を表現するためフィルム撮影にこだわる。「デジタルカメラの話をすると、一気にご機嫌が悪くなる」(矢野さん)という。

 雪に輝く光、見ている者も悲しくさせるような山影。さらに「霧や雲の動きが特徴的な魅力」(同)だ。白籏氏は尾瀬で霧などの撮影技術を学んだ。故郷の山々から世界へ。特別展は夢を追い続けた白籏氏の人生観や美学も伝える。

 観覧後、ロビーの窓に雲海から頭を出した富士山が見えた。思わずレンズを向けたくなった。(中川真)

 ■南アルプス市立美術館 南アルプス市小笠原1281。名取春仙の日本画、版画、挿絵が約2000点など、計4000点を収蔵。開館時間は午前9時半~午後5時。白籏史朗展の観覧料(常設展示を含む)は一般500円、大学生・高校生300円、小中学生200円。休館日は月曜と祝日の翌日など。JR甲府駅からバスで約35分。中部横断自動車道の白根、南アルプス各インターチェンジから車で約5分。電話は055・282・6600。

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