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【人語り】山梨・北杜 会社員から新規就農者・小嶋香里さん 自然薯で野菜ソムリエ金賞

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 東京の大手印刷会社に勤める会社員から農業に転身、平成29年春に北杜市武川町に移住し、昨年1月に就農した。1年後の先月、白州の名水で育てた有機栽培の「自然薯(じねんじょ)」が、全国の野菜の品評会「野菜ソムリエサミット」(日本野菜ソムリエ協会主催)で金賞を受賞。転身の経緯と野菜作りへの思いを語ってもらった。(松田宗弘)

 食と関わるきっかけは、四国八十八カ所巡りをしたとき、お遍路の途中で地元の人にもらったトマトでした。「売れるものではないよ」と言われ、食べてみたトマトのおいしさに感動しました。

 食への関心が芽生え、7年ほど前、社内ベンチャーに応募し、グループ会社のスーパーのコンサルティング会社でレシピ本の製作に携わりました。このころから本格的に食への思いが募っていきました。

 北杜市を選んだのは、水と空気がきれいで、東京に近く、ビール好きなのでホップの生産が盛んだったことも魅力でした。

 自然薯の栽培を考えたのは、小さい頃に家族で囲んだ食卓の思い出。とろろ汁のように、すりおろした自然薯があればご飯を何杯も食べられた。あの幸せな時間を作りたい-。

 移住後、県内の農業大学で9カ月、農業の基礎を学び、先輩農家とも知り合い、教えを請いました。自然薯は山で育つもので、肝は土作りと周辺の自然環境です。だから、無農薬で化学肥料も使いません。

 肥料は、米ぬかなど自然由来の発酵物を自分の直感で混ぜ合わせます。畑の土には、名水で知られる白州の地下水がしみ出しています。同じ種芋を使っても味はまったく変ってきます。

 昨年11月に収穫した自然薯はすくすく育ちました。皮と一緒にすり下ろしてみたところ、その粘りに驚かされ、後から、うまみがじわっときました。「うますぎる!」。先月、東京で直売会をやったら「おいしい」との反響をいただき、直後に野菜ソムリエサミットへ出品しました。

 受賞はうれしかった。週末などに草刈りや、植え付けなどの農作業を手伝ってくれた、両親や近隣の人、東京の友人たちに本当に感謝しています。この受賞は、支えていただいたみんなでいただいたものです。

 私の仕事は野菜が、おいしく、安全に育つことを手助けすること。そのことによって、これからも食卓に笑顔を届けていきたい。

                   ◇

【プロフィル】小嶋香里

 こじま・かおり 昭和50年、愛知県日進町(現日進市)生まれ。大手印刷会社を経て、1年前に北杜市白州町で就農。合計約1ヘクタールの農地を借り、自然薯、ナス、サツマイモ、ホップなど二十数品目を生産する。JA梨北を通じ県内のスーパーなどで販売している。

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