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【しずおか~このひと~】“三保松原の守り人”望月正光さん(73)

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 ■「立派なマツ育て輝く財産に」

 霊峰・富士を仰ぎ、駿河湾を望む天女伝説でも有名な三保松原(静岡市清水区)。平成25年に世界文化遺産に登録された富士山の構成資産として官民挙げてシンボルの松原の保全活動が行われている。ただ、最近は松くい虫などの被害による松枯れで美観が損なわれつつあり、対策が叫ばれている。“三保松原の守り人”の一人で、8年前から活動を続ける望月正光さん(73)に保全活動などの取り組みを聞いた。(小串文人)

                   ◇

 --保全活動を始めたきっかけは

 「65歳で会社を退職した23年1月、ボランティアによる三保松原の保全活動が行われているのをテレビで知り、海辺育ちだったし、海のそばの作業で健康にもいいと思ったんです。さらに、この活動に熱心に取り組んでいるNPO法人『三保の松原・羽衣村』事務局長の遠藤まゆみさんが高校の後輩だったこともあって参加を決めました」

 《広大な三保半島には約3万本のマツが生育している。マツを守るには腐葉土から生えた雑草取りや松葉かきの作業などが欠かせない》

 --ヘリコプターによる防虫剤の空中散布が行われ、松くい虫対策が取られているが、マツの状況は

 「活動を通じて、マツに関する知識は学識経験者から勉強させていただきました。マツは砂地の水はけが良くて、太陽光が注ぐ場所に育つのです。大事なのはマツの根に共生する菌根菌の状態で、生育が左右されるんです。この菌根菌からできるキノコは栄養があり、食用にもなっているんです。世界文化遺産になったころ、バスの往来が激しくなり、この菌根菌が踏まれて傷んでしまう状況に陥ることから、バスの乗り入れを規制することになりました」

 「昔は枯れ松葉を竈(かまど)などで燃やして燃料として利用していましたが、今はガスなどの燃料に変わり、枯れ松葉の利用はなくなりました。絶え間なく増える枯れ松葉が堆積して腐葉土化して雑草が生い茂り、マツの生育を悪化させることになります。だから、絶えず雑草の除去と松葉かきが欠かせなくなったんです」

 --具体的な作業は

 「活動は水、土曜日の週2日で、作業時間は午前8時から正午まで。不定期で、団体の人たちが作業に参加していますが、現在は2人で作業しています。始めてから8年が過ぎましたが、そのころは不法投棄された廃棄物だらけでひどかったですね。マツの砂地を開墾するような作業で、延長約400メートル(幅50メートル)の松林の雑草除去と松葉かきをしていますが、これまでに3分の2を終えました。目標達成まで、あと3年はかかる見込みです。1回の作業で枯れ松葉などをごみ袋10袋(40キロ)分回収し、焼却処理しています」

 --保全活動を通じて今後望むことは

 「回収用のごみ袋はかなりの数を使うので購入費用がかさむため、何とか再利用できて、負担が解消または軽減できるようになればと思っています。実は2年半前に大病を患いました。幸い、健康状態が良くなったので、健康維持のためにも保全活動を続けているんです。活動には多くの人たちに参加してもらい、三保松原を輝く財産として守っていきたい。目指すのは三保松原のマツが出雲大社(島根県)にあるマツのような巨大で立派なマツに育つことで、それを願っています」

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【プロフィル】望月正光

 もちづき・まさみつ 昭和21年1月18日生まれ。旧由比町立由比東小、由比中、県立清水東高を経て、43年3月、中大理工卒。卒業後、静岡、富士市などの建設会社に勤務。65歳で退職してから「それいけ三保の松原コクモ隊」に加わり、三保松原の保全活動に従事している。旧由比町(現・静岡市清水区)出身。

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