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紀元前製作の「すずり」か 福岡と佐賀の弥生中期遺跡から石片3点出土 文字が使われた可能性

 国学院大の柳田康雄客員教授(考古学)が、福岡、佐賀両県にある弥生時代の遺跡から、同時代中期の紀元前1世紀ごろに作られたすずりの一部とみられる石片3点が出土していたとの研究成果を発表した。中国で見つかっている同時期のすずりと、よく似た特徴があったという。柳田氏は「国内で紀元前から文字が使われた可能性を示す、最古級史料」としている。

 柳田氏によると、石片は平成13年度から17年度にかけて出土したもので、潤地頭給遺跡(福岡県糸島市)1点と中原遺跡(佐賀県唐津市)の2点。それぞれの大きさは長さ約4~19センチ、幅約4~7センチ、厚さ1センチ未満。破片表面の滑らかな形状などが、紀元前1世紀ごろの中国のすずりに似ているという。

 両遺跡とも玄界灘に近い九州北部にあり、弥生時代(紀元前4世紀~紀元後3世紀)に集落を形成していた。糸島市教育委員会と佐賀県教委の報告書などを分析した柳田氏は「大陸との交流を進めるため文字を使う必要があり、中国のすずりを模倣したのだろう」と推察する。

 国内で文字は遅くとも、戸籍制度が浸透した7世紀末から8世紀ごろには、広く日本人も使いこなすようになっていたとされる。朝鮮半島から渡来した人々は、さらに前から文字を使っていたとみられる。糸島市の遺跡出土品を保管する伊都国歴史博物館(同市)の河合修学芸員は「大陸から日本に文字文化が伝わった時期を研究する上で、大きな前進となり得る報告」としている。

 国内では田和山遺跡(松江市)で10年、三雲・井原遺跡(糸島市)でも27年に、弥生時代のものとみられるすずりの破片が見つかっている。

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