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天童木工が燃えにくい新木材開発 防腐性も備え広がる用途

 スギやヒノキなど軟らかい針葉樹を広葉樹の強度にまで高める圧密(あつみつ)(プレス)加工技術を平成26年に開発した天童木工(天童市)。この技術に加えて、燃えにくく腐りにくくする圧密浸漬(しんせき)処理技術を利用した新木材を開発した。これにより、屋外でも使える丈夫な家具への応用など、木材の可能性が広がっている。(柏崎幸三)

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 家具の材料は広葉樹が主流だが国内調達が難しいのが現状だ。戦後、住宅用に植林されたスギやヒノキなど軟らかい針葉樹はあまり使われず、「山林地域ではスギ材が放置され、使われない状態になっている。地域の荒廃を生む要因にもなっている」(同社)という。

 この使われない針葉樹を広葉樹と同等の強度にまで高める技術が圧密加工だ。家具には不向きとされてきた針葉樹を厚さ1~5ミリの薄い板にローラーで圧密する。これに同社独自の成型合板の技術を組み合わせることで、複雑な曲面や繊細なフォルムの家具づくりが可能となった。同社の澤木亮平さんは「使われなくなったスギなどの針葉樹に着目して開発した技術」と話す。

 この技術をさらに進化させ、難燃性と防腐・防蟻性を持たせたのが「ロールプレスウッドプラス(RPW+)」だ。圧密したスギ板に難燃性の薬剤を含ませる「浸漬処理」を行うことで、より燃えにくく、腐りにくい木材となる。薄い板一枚一枚に薬剤を含ませていくため板の内部まで着実に難燃性の薬剤が浸透する。同社の西塚直臣製造本部長のチームが開発した。

 今年1月30日から3日間、東京ビッグサイトで開催された「新機能性材料展2019」で、同社はハンドルからイス、床、そして、外装までRPW+を使った木製のコンセプトカーを出品した。

 米国では米国材料試験協会が家具の燃えにくさなどの標準基準を決めているが、国内には同様の基準はない。このため同社は独自の規格に基づき、バーナーで80秒間燃やす燃焼試験を行ったところ、RPW+は着火してもその後、自然消火したという。

 コンセプトカーというかたちで提案したRPW+の新用途と可能性。同社企画課の稲葉鮎子さんは「来場者からは好評でした。木製自転車をはじめ、屋外で使う家具などにも応用していけます」と話しており、将来的にはRPW+の多様な用途が生まれそうだ。

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