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【もう一筆】小さな小さな市 山形

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 山形市に住んでいて毎週楽しみにしていることがある。市内の東原町で火曜朝に、小さな、小さな市に出かけることだ。市といっても山形県金山町を午前7時に出てきた樋渡(ひわたし)洋子さん(72)と、栗田カツ子さん(74)のたった2人が出す市なのだ。

 2人は未明に起床し、午前3時には煮物づくりを始める。午前7時になると、軽ワゴン車に作った煮物を載せて山形市に向かう。「雪で2時間半かかっちゃった」と樋渡さん。2人が小さな市の店頭に並べるのは、ふき炒め、山菜炒め、山人参の煮物など、自身の畑で育てた野菜や山菜でつくった総菜だ。

 「ここでやるようになったのはザル市のメンバーだからです」と栗田さん。金山町にあるホテル「シェーネスハイム金山」が開館し、ホテルロビーで始まった「神室笊市(かむろざるいち)」(現在休止中)に参加したことがきっかけだという。

 「ここのはおいしいのよ」と毎週必ず買い物に来る山形市の主婦、三條良子さん(71)は教えてくれた。軒先を間借りしている「コープひがしはら」から、「ウチでも販売してくれないか」と頼まれて、市を始めてから、もう18年になる。

 「いまではお客さんがつき、うれしいし、楽しいし」と、2人は微笑む。客との会話が何より楽しみな様子で、樋渡さんは「千円でいいよ。おまけしておくよ」。そんなやりとりもおもしろい。この小さな市は雪でも雨でも、毎週火曜午前9時、山形市東原町に立つ。(柏崎幸三)

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