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金塊密輸…狙われる宮崎など地方空港 LCC増便で検査手薄

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宮崎空港国際線にある税関の手荷物検査場
宮崎空港国際線にある税関の手荷物検査場

 アジアからの金塊密輸事件の多発で税関の取り締まりが強化される中、主要都市に比べ、陣容が手薄な地方空港が狙われ始めている。格安航空会社(LCC)の台頭でアジア各地と結ぶ直行便が増加し、密輸が地方へ拡散するリスクが高まる。訪日外国人が大挙する東京五輪や、密輸の利ざやが増す消費税増税を控え、政府は対策を急ぐ。

 「福岡は摘発されるとのうわさが広まり、運賃が抑えられる宮崎空港に目を付けた」。昨年、宮崎地裁であった裁判。韓国人3人が金塊3キロ(約1270万円相当)を密輸しようとした事件で、検察側はこう指摘した。

 被告側は事前に福岡、佐賀、宮崎の空港を訪れ、手荷物検査を下見したと証言した。摘発前にも宮崎空港で複数回、密輸に及び、福岡市内の売却先まで陸路で運んでいた。判決は「入念に準備し、最も成功しやすい地方空港を狙った」と認定した。

 金密輸が絶えないのは、香港や台湾など非課税の海外で購入し、税関に申告せずに日本で売却すれば、消費税分が利益になるからだ。財務省によると、平成29年の摘発件数は1347件、押収量は約6・2トンで、いずれも過去最多だった。

 ◆小口化する手口

 密輸の9割以上は航空機経由だ。これまではアジアとの定期便が多く発着する成田や羽田などの主要空港が舞台だった。

 LCCの躍進で観光客誘致の動きは地方に広がり、国際線の旅客便数は週5千便を突破した。30年も花巻(岩手県)や茨城、徳島といった地方空港にアジアとの直行便が就航した。捜査当局は「どこが狙われてもおかしくない」と警戒を強める。

 密輸の手口にも変化が見られる。30年の摘発件数は高止まりしたままだが、押収量は推計2・5トンと大幅に減る見通しだ。財務省担当者は「地方への分散とともに小口化の傾向がある」と分析する。1回数万円の報酬目当てにアルバイト感覚で加担するケースが、後を絶たないという。

 ◆喫緊の対策強化

 訪日外国人は3千万人を超え、東京五輪開催の32年には4千万人が見込まれる。消費税が8%に上がった26年以降、密輸が急増しており、さらに利ざやが膨らむ今秋の再増税を前に、対策強化は喫緊の課題だ。

 政府は30年の法改正で罰金額を従来の上限500万円から、金価格の最大5倍まで引き上げた。密輸された金塊が大手商社を通じて国際市場に流れていることも判明し、密輸グループの転売先となる買い取り業者には厳密な取引記録の保存を義務付ける方針だ。

 全国の空港は水際対策として、効率的な門型金属探知機の導入を急ぐ。ただ、ある税関職員は「訪日客の大半は無関係で、検査にかけられる時間は限られる。観光立国のイメージを損なうわけにもいかない」と対応の難しさを指摘した。

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