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【数字から見えるちば】落花生収穫量、全国の8割 新品種「Qなっつ」で底上げを

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 □ちばぎん総研研究員・黒島麻友

 千葉県産落花生の平成29年収穫量は1万2200トンと全国の約8割を占め、2位の茨城県(1670トン、全国シェア11%)を大きく引き離して、断トツとなっている。

 落花生は南米のアンデス地方が原産地。わが国での栽培は明治4年に神奈川県で始まり、県内では同9年に南郷町(現山武市)で栽培が始まった。その後八街市などの土壌が中国からの輸入品種の栽培に適していたことなどから明治末期に急速に広がり、大正期には特産地となった。現在の主な産地は、八街市のほか、千葉市、佐倉市、富里市などとなっている。

 しかし収穫量は、ピークの昭和38年(6万4600トン)と比べると、5分の1程度にまで減少している。その背景には、落花生の消費量自体がアーモンドやカシューナッツ、マカデミアナッツなど流通するナッツの多様化によって漸減基調にある中で、安価な輸入品の流入増加(国内の落花生流通量は中国など外国産が9割、国内産が1割)もあって出荷価格が低迷を続けていることにある。落花生農家では野菜類への作付け転換を進めており、生産者の高齢化と後継者難にもあえいでいる。

 輸入品に対して価格では対抗できないため、千葉県農林総合研究センターでは、高品質の新品種の開発に努めてきた。18年の開発期間を経て登場したのが、新品種「Qなっつ」で、昨年10月より落花生専門店や農産物直売所など約50店舗で販売を開始した。

 同センターでは、平成27年に大粒で果汁が多いイチゴの新品種「チーバベリー」を開発して話題となったが、落花生の新品種は9年ぶりとなる。愛称には、アルファベット順で「P」の次に「Q」が来ることにちなんで、「ピー(P)ナッツを超える味に」という意味が込められており、6千件を超える応募の中から選定された。

 「Qなっつ」の特長としては、既存品種に比べて甘みが強く、後味があっさりしていることに加え、農家にとっても、乾燥や病気に強く収穫量が多いことが魅力的である。

 八街市では、30年度のふるさと納税の返礼品に「Qなっつ」を加えたところ、寄付額が前年度の1・5倍に増加するなど、消費者の注目度は高く、販売店での評判も上々だ。「Qなっつ」効果による落花生の生産量の底上げとともに、千葉県のブランド力の更なる向上にも期待したい。 (寄稿、随時掲載)

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