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原野商法二次被害 言われるままに契約書に押印 埼玉

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 12日、県警に刑事告訴した男性のように原野商法の二次被害は後を絶たない。

 「息子から1千万円、親戚から1千万円借りて、夫との資産で1千万円。全部で3千万円払いました」

 新座市に住む女性(73)も平成9年、「資産になるなら」と思い、栃木県の山林を約350万円で購入したのを契機に、不動産業者から相次いで土地取引話を持ちかけられ、売買を重ねた。

 ◆鳴り止まない電話

 栃木県の山林購入から17年後の26年、女性宅の固定電話が鳴った。不動産会社を名乗る男からだった。「土地を持っていますよね?」。何回も電話がかかってきた。断っても鳴り止まないため、一度だけ会うことにした。

 「その土地は持っていても仕方ない。売りやすい土地を持っていた方がいい」。訪問した男性はスーツ姿で人柄も良さそうにみえた。勧められた栃木県那須塩原にある土地の見学ツアーに夫と一緒に出向いた。駅から車で数十分の土地、近くには中学校があり、隣には川崎市から移住したという夫婦が住んでいた。「老後に田舎で暮らすのも素敵」と思い、夫も賛同し、この土地を約400万円で買い、持っていた土地を約150万円で売却した。

 ◆「損する」と迫られ…

 しばらくすると、別の業者から「この土地は山林。宅地でないので住宅は建てられない。もっといい土地を紹介する」と持ちかけられた。新しく土地を買う余力はなく断ったが、「いま買わないと、もっと損をする」と迫られた。

 さらに別の業者も自宅に来た。親身に話を聞いてくれるこの業者の男に「私はどうしたらいいでしょうか?」と相談し、高値で土地を購入した。次々と出される契約書を読んでも理解しきれなかった。それでも、勧められるままに印鑑を押した。契約書は「誰かに見せると、契約違反になるからね」と念を押され、相談もできなかった。

 繰り返す土地売買。頭を悩ましたのは、どう購入費を工面するか-。体重は10キロ以上も減り「自分が何を売って何を買っているのか分からなかった」。

 貯蓄を使い果たし、計約3千万円を詐取されても、なぜかだまされている自覚がなかった。身内から怒鳴られ、ようやく詐欺被害に気づき市へ相談した。

 女性は「『(売却損を)取りかえさなくちゃ』と思い、売買勧誘の話を信じてしまう。その繰り返しで深みにはまった。すべてが無知だった」と悔やむ。(飯嶋彩希)

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