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福岡知事選で小川洋知事、政党推薦願を全て取り下げ 政治的センス疑う声

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政党への推薦願取り下げを明らかにした福岡県の小川洋知事
政党への推薦願取り下げを明らかにした福岡県の小川洋知事

 任期満了に伴う福岡県知事選(4月7日投開票)をめぐり、3選を目指す現職の小川洋知事(69)は1日、各政党へ出していた推薦願を、全て取り下げることを明らかにした。自民党が対立する新人への推薦を決めた中で、「野党系候補」と見られることを嫌ったものだが、場当たり的な対応といえる。小川氏の言動をめぐっては、今回に限らず政治的センスを疑う声が上がっていた。(小沢慶太)

 「現状は、私がもともと考えていたような状況になっていない。野党代表のように捉えられる向きが一部にある」

 小川氏は1日、福岡市内で記者団に、立憲民主、国民民主、公明、日本維新の会、社民各党への推薦願を取り下げる考えを示した。表情は苦渋に満ちていた。

 小川氏は当初、平成27年の前回選挙と同様に、与野党から幅広い推薦を得て、選挙戦に臨む青写真を描いていた。

 小川氏の事務所関係者は1月29日、自民党本部に出向き、推薦願を提出した。小川氏は30日午前の記者会見で、状況を説明した。

 その直後、小川陣営が狼狽(ろうばい)する一報が入った。自民党が元厚生労働官僚の新人、武内和久氏(47)の推薦を決めた。「こんなはずではなかったんです」。小川氏は関係者に電話で漏らした。

 小川氏は同日夕、立憲民主党福岡県連の山内康一代表(衆院議員)に電話し、「政党色をなるべく消したい」と、推薦辞退を申し出た。

 ただ、立民からの推薦では、当初から疑問の声が上がっていた。

 小川氏は、1月27日に立民側と政策協定を結び、29日に推薦が決まった。

 小川氏が最も支持を得たいはずの自民の決定に先立つ形だった。これが、自民側の心証を損ねた。

 「立民と政策協定を結びながら、その一方で自民党本部に推薦願を出すなんて、血迷ったのか」。県連幹部は激怒した。

 さらに、立民との政策協定の文書には「原発ゼロ」の文言が含まれていた。小川氏の後援会長を務める松尾新吾氏は、九州電力の特別顧問であり、日本のエネルギー政策の観点から、原発の必要性を訴えてきた。

 自民関係者は「ちゃんと分かった上で協定を結んでいるのか」と首をかしげた。

 これまでも、小川氏の政治手腕に疑問符がつく場面は、たびたびあった。

 昨年12月、小川氏は県内視察に訪れた菅義偉官房長官に、知事選出馬の意向を伝えた。会談は非公開だったが、小川氏はその日のうちに記者団に対し、「菅氏は、しっかり応援すると応じてくれた」と語った。菅氏の後ろ盾を強調したい思惑があったとみられる。

 しかし、政治家同士の密室での会話は、表に出すタイミングも重要だ。ある経済界の関係者は「菅氏にその思いがあったとしても、小川氏がすぐに明らかにしてしまっては、動きにくくなっただろう」と見る。

 昨年10月に小川氏は、九州北部豪雨で被災したJR日田彦山線の復旧に関して、国土交通省を訪れた。事務次官に対し、復旧方針などをめぐって意見が対立していたJR九州への「強い指導」を求めた。国に泣きつくような姿勢に、霞が関の関係者は「地元の企業と、まともに話もできないのか」とあきれた。

 宿泊税の導入問題でも、対立する福岡市の高島宗一郎市長との関係は冷え切ったままだ。問題解決に向け、小川氏がトップ会談を呼びかけたタイミングが、皇族が出席する式典に際してだったり、市長選の直前だったりしたことが、高島氏をいらだたせた。

 そもそも小川氏は初当選時、麻生太郎副総理兼財務相の後ろ盾を得ていた。この8年間で、麻生氏からの信頼をすっかり失った。

 「幅広く県民の支持を得て働かせていただくという基本に立ち返る」

 小川氏は1日、こう強調した。現段階では知名度も高く優位とみられるが、徐々に窮地に追い込まれている。

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