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袖ケ浦の石炭火力発電所断念 九電社長「石炭火力否定するものではない」

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 九州電力などは、千葉県袖ケ浦市で計画していた大型火力発電所の燃料を、石炭から液化天然ガス(LNG)に切り替える決断に踏み切った。背景には石炭火力発電への逆風があり、収益が見通せず、リスクが大きいと判断した。ただ今後、需要の高まりが予測されるLNGへの過度な依存は、コスト高などを招き、電力の安定供給を脅かしかねない。(中村雅和)

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 「投資を回収するだけの収入が得られるかが不透明だ。大きすぎるリスクは負えない」。九電火力発電本部の水町豊域外電源開発部長は31日、福岡市中央区で開いた記者会見でこう語った。

 省エネ技術の進展や人口減少によって、中長期的な電力需要の見通しは不透明だ。さらに、二酸化炭素(CO2)排出量削減が世界的な潮流になる中、化石燃料の中でも排出量が大きい石炭への風当たりが強まる。

 ただ、国の姿勢は一貫性を欠いている。政府は第5次エネルギー基本計画で、石炭火力を「安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源」と位置づける。一方で環境省は排出量削減を目的に石炭火力発電所の新増設計画に反対する。

 電力各社は国のちぐはぐな政策に翻弄されている。

 「石炭火力の新設が止まれば、日本全体の電源構成がいびつになり、ひいては価格や供給体制に跳ね返りかねない」(九電幹部)との声もある。

 エネルギー源をほぼ輸入に頼らざるを得ないわが国にとって、複数の発電方式を持つことは、安定供給を維持する上で欠かせない。

 今後、大気汚染が深刻な中国やインドを筆頭に、世界的にLNG需要は上昇すると見込まれている。脱石炭が進み、LNGへの依存度が増せば、価格上昇の可能性も高まる。

 燃料の選択肢を狭めることこそ大きなリスクにつながる。

 九電の池辺和弘社長は記者会見で「今回の判断は、石炭火力を否定するものではない」と強調した。九電では、長崎県松浦市で高効率の超々臨界圧(USC)方式を採用した最新鋭の石炭火力発電所を建設中だ。今年12月、運転を開始する予定だ。

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 九州電力は31日、平成30年4~12月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比4・2%増の1兆4994億円、最終利益は同63・8%減の266億円で増収減益だった。川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の定期検査実施により、修繕費がかさんだ。通期の業績見通しは据え置いた。

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