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処分から共生…意識向上へ川崎市動物センター「アニマモール」12日開業

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 川崎市は、同市高津区から中原区に新築移転工事を進めていた市動物愛護センターが12日に開業すると発表した。募集していた施設愛称は「ANIMAMALL(アニマモール) かわさき」に決まった。開業前の3日に現地で完成記念式典を行う。年間利用者数は約3倍増の6700人程度を想定し、関係者は「市民と動物が触れ合う機会が増え、動物愛護の精神を養える施設だ」と期待を高めている。(外崎晃彦)

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 同センターによると、総工費は約10億1200万円。犬の収容はこれまで犬舎13・ケージ17個だったが、新施設では犬舎26・ケージ163個に拡大。猫は部屋に収容しきれず、通路などにケージを置いて対応してきたが、新施設では十分な収容数を持つ広い部屋が設けられているといい、飼育環境が大幅に改善する見込みだ。

 ◆日曜日に家族で

 細長い地形の川崎市で、各区の市民が、より平等に利用できるよう、新施設は市の中心寄りに移動する。最寄り駅から遠く、道幅も狭かった現行施設と違い、新センターは駅からも徒歩で行けるようになる。

 これまで土・日曜日だった休館日は金・土曜日に変更する。日曜日に家族で来館するなどの機会が増えそうだ。利用者数は年間2100人程度(平成29年度)だったが、新センターでは約3倍増となる6700人程度を想定している。

 新施設では、犬・猫の適正飼育について市民が学べる「啓発室」や、家庭での暮らしをイメージしながら飼い主と動物の相性を見ることができる「行動観察室」などを設置。ガラス張りで来館者が飼育の様子を見られるなど、市民と収容動物の距離を縮め、動物愛護の精神を育てられるような構造とした。

 福田紀彦市長は記者会見で、「命の大切さが学べ、適正飼養の啓発にもつながる。幅広い年齢層に親しんでいただきたい」と期待を込めた。また、「(新施設完成で)ハード、ソフトともに、動物愛護に向けた体制が整った。しっかりと運営していきたい」と意気込んだ。

 ◆700作超から選出

 新施設の愛称は、市が昨年5月から募集し、応募があった727作品の中から優秀な5作品を選出。近隣にある複数の小学校の児童らによる投票とインターネットによる投票の結果、同市川崎区の小学5年、橋本隆之介さんの案「ANIMAMALL かわさき」が選ばれた。

 同施設の須崎聡所長は「『アニマル(動物)』や『守る』という音を含み、字面(じづら)から施設の内容が容易に想像できる」と評価。福田市長も「子供たちが考えてくれた愛称。とてもセンスがいいと感じている」と笑顔を見せた。

 施設関係者によると、同センターは、「狂犬病予防法」が制定された翌年の昭和26年、現在の高津区の敷地内に開設した「市立犬抑留所」が前身。当初は野良犬や飼えなくなったペットを収容し、期限が来ると殺処分することが事業の主目的だったという。

 ◆県施設も新築

 現行施設は49年から運用。近年、動物愛護の意識が高まり、飼い主を探し、動物と人間の共生を模索するという潮流が生まれるなか、現行施設の構造や設備は、飼育や展示するという目的にそぐわないものだったという。

 開設から40年以上が経過し、建物自体の老朽化も目立ち、平成29年から新築移転工事が進められていた。県内では県動物保護センター(平塚市)が同様に、隣地への移転による新築開業を4月に控えている。

 川崎市での新築開業と合わせ、これで県内の動物愛護意識の向上に弾みがつきそうだ。

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 ■川崎市の動物収容 平成29年度の動物収容数は730。そのうち所有者からの引き取りが犬5頭・猫65頭。拾得者などからの引き取り(警察含む)が犬73頭・猫315頭。譲渡数は505で、内訳は犬27頭・猫435頭、その他43。譲渡先は個人85、ボランティア団体など420。収容のための搬入時や収容中の死を除く殺処分頭数は犬1頭・猫12頭。病気やけがで著しい苦痛を伴う場合に行い、健常な個体を殺処分することはないとしている。

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