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【山梨知事選】長崎氏が初当選 自民など一丸、「組織戦」勝因 後藤氏、訴え浸透せず

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 知事選で自民党が44年ぶりに擁立した独自候補、長崎幸太郎氏(50)=自民、公明推薦=が、現職の後藤斎氏(61)=立民、国民推薦=ら3人を破り、4年ぶりに与党系知事が誕生した。現県政の「停滞から前進へ」のキャッチフレーズの浸透と、統一地方選や参院選と続く“亥年(いどし)選挙”で先陣を切る知事選で、自民党本部と県連、公明党が一丸となった組織戦が勝因といえそうだ。(松田宗弘)

 27日夜、当選を決めた長崎氏は昭和町内の報告会場で取材に応じ、勝因を「生活が楽にならないなど山梨の抱える危機感を有権者と共有したこと」とし、「運動量の多さが(現職陣営と)比較にならないほどだった」と振り返った。

 選挙対策本部長を務めた自民党県連の森屋宏会長は「県連が一つになって戦えたことが勝因」と強調した。長崎氏は一昨年の衆院選(山梨2区)で、堀内詔子衆院議員に惜敗。平成17年の郵政選挙で、義父の堀内光雄氏の“刺客”として争って以来、激闘が続いたが、恩讐を乗り越えて堀内氏と和解できたことが勝利を呼んだという。

 森屋氏は「この融和があったからこそ、自民、公明が推薦し、多くの国会議員が応援に入る環境が整った」と指摘。岸田文雄政調会長が通算4回、県内入りしたほか、二階俊博幹事長の号令で延べ約150人の国会議員が県内を回り、支持を訴えた。

 森屋氏は「公明党の推薦が決まった昨年12月21日で潮目が変わった」と振り返る。「自民党本部の調査ではじめて長崎氏が後藤氏を逆転して4ポイントをリード。その後は一本調子で差を広げた」と話す。

 国とのパイプを訴える長崎氏に対し、「県民党」を掲げ、「国と県は対等」と繰り返した後藤氏。だが、思いは有権者に浸透しきれなかった。

 27日夜、甲府市内の選挙事務所に沈痛な面持ちで現れた後藤氏は、「しっかりとした訴えができなかったことに尽きる」と言葉少なげ。輿石東元参院副議長もコメントを求める報道陣に無言で会場を立ち去った。宮島雅展元甲府市長は「後藤さんはもっと具体的に自分の考えを語ってほしかった」と述べ、1期目の成果が伝わらなかったとされる敗因を振り返った。

 いずれも無所属新人で、元参院議員の米長晴信氏(53)、共産党県委員長の花田仁氏(57)=共産推薦=は及ばなかった。

                   ◇

 ◆就任後取り組み リニア新駅整備「一から見直す」

 長崎幸太郎氏は27日夜の知事選当選後の取材に、中部横断自動車道の県負担軽減や、現県政が進めるリニア環境未来都市の計画見直しなど、就任後の取り組みを語った。

 長崎氏は、建設中の中部横断自動車道への県の関わりを「停滞の象徴的事例」とし、トンネル工事難航による開通の遅れで増額される約100億円の県負担の軽減や、北部区間(長坂-八千穂間)の事業推進を「目に見える形で前へ展開したい」と強調した。

 長崎氏は「国に本県に配分する地方交付税を増やす制度改正を求め、負担を削減したい」と公約しているが、具体的な交渉方法や負担軽減の成果など、選挙戦でアピールした「国とのパイプ」をどう生かせるかが問われる。

 8年後に開業予定のリニア中央新幹線新駅の乗降客について、現県政は「1日最大2万人」と予測するが、長崎氏は「根拠が分からない」と疑問を呈した。

 「精査し直し、人を呼び込むための理由をつくり、(全体を)一から見直すことになるのではないか」と述べ、「リニア環境未来都市」計画を全面的に見直す考えを明らかにした。

 この結果、リニア新駅の周辺整備は、横内正明元知事が打ち出した「交通アクセス拠点」案、これを撤回した後藤斎知事のリニア環境未来都市構想に続き、3回目の計画策定となる。

 長崎氏はこれまで、国際展示場の整備などを提案しているにすぎず、就任後はより具体的なビジョンが問われそうだ。

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