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【活力企業】伝統の革工芸品を海外へも進出 印傳屋上原勇七(甲府)

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 山梨県に本社を構える法人は約1万8千社(税務統計数)。うち22%を占める製造業の業績は、おおむね堅調に推移し、県内産業を支えてきた業種の一つとなっている。甲府市では今年、武田信玄公の父、信虎公が館を移した「開府500年」を祝うイベントを開催、4月には中核市になることが決定している。

 株式会社「印傳屋上原勇七」は天正10(1582)年創業。甲府とともに歴史を育み、鹿革に漆模様の技法など、希少な日本の革工芸文化を伝える担い手として稼働する代表的な企業だ。バッグや袋物、財布などを取り扱い、「山印マークの甲州印伝」として知名度を確立した。拠点は甲府市の本店、東京都港区、大阪市中央区、名古屋市中区の直営店だ。

 国内部門では「機動戦士ガンダム」(バンダイ)、「ハローキティ」(サンリオ)などのキャラクター、漫画では「刀剣乱舞」などと提携し、新しい分野での販売網を確立しているほか、オンラインショップの開設などでも新たな顧客層を取り込んでいる。

 海外部門では、「印伝を世界でも認められるブランドに」とのビジョンから2011年、米国のファッション市場への進出を目的に、「INDEN NEW YORK」というブランド名で、評価が厳しい「コーテリー展(COTERIE)」に発表した。

 年2回開催される同展に7年連続で出展。現在はブランド名を「INDEN EST.1582」へ改め、英国、フランスを中心とした欧州のファッション市場にも進出している。

 これらが奏功し、15年に「GUCCI社」とコラボによる商品化を実現するため提携したのをはじめ、17年には英国王室御用達のラグジュアリーブランド「アスプレイ社」のクリエーション・コラボレーション・パートナーとして、日本で初めて指名されるなど、海外での知名度も着実に広がりをみせている。

 ルイ・ヴィトン社が皮革職人から創業し、一大ブランド化した法人であることは有名な話だが、当社の伝統に築かれた社風は、まさに「日本のルイ・ヴィトン」とも言える存在。国内外を問わず、常に門戸を開き、躍進を続けるべく、上原重樹社長を先頭に同社の挑戦は続いている。

 印伝とは、古くは奈良時代の文庫箱(東大寺蔵・国宝)などにもみられ、戦国時代には武将たちの鎧(よろい)や兜(かぶと)などを艶やかに飾る工芸として使用されていた。

 江戸時代に入り、遠祖上原勇七が鹿革に漆で模様をつける独自の技法を創案したのが甲州印伝の始まりだ。古くは滑稽本「東海道中膝栗毛(ひざくりげ)」に印伝の巾着が記されており、洒落(しゃれ)者の粋な持ち物として人々に愛好されてきた。現代においても、生活を彩る実用美として息づいている。現会長の上原勇七氏は13代目である。(東京商工リサーチ甲府支店長 加藤一美)

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【プロフィル】加藤一美

 かとう・かずみ 昭和36年、秋田県生まれ。駒沢大卒。平成4年、東京商工リサーチ入社。立川支店長、東京支社調査3部長などを経て、29年6月から甲府支店長。

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