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60年前の倉吉市役所の建設工事映像記録見つかる 設計・丹下健三氏の姿も

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 「世界のタンゲ」といわれた建築家、丹下健三(1913~2005年)が設計し、国登録有形文化財になっている倉吉市役所の建設を記録した8ミリフィルムが見つかった。丹下の新しい設計を手作業で形にする作業員や、海外にも名が知られるようになった頃の丹下の姿などが記録されており、建築史の貴重な資料となっている。

 同市役所は昭和30、31年に建設。フィルムは当時の市水道建設課長だった山本繁喜さんが、個人的に記録していた。同市役所は平成28年10月の鳥取県中部地震で被災。このうち議会棟の復旧設計を受託した市内の一級建築士、生田昭夫さん(70)が参考用に資料を探したところ、山本さんの遺族からフィルム発見の連絡があった。

 フィルムは30分と20分の2本で、基礎工事が始まった昭和30年秋から、完成後の32年春までを記録していた。

 同市役所は、両親が鳥取県出身で、東京大学安田講堂などを設計した建築家、岸田日出刀(1899~1966年)と、その弟子になる丹下の共同設計だが、実際には丹下が構想をまとめたとされる。

 丹下はこの頃、庁舎建築の代表作となった香川県庁舎も手掛けており、民主主義を体現した新しい設計の考えを同市役所にも持ち込み、ピロティなど開放的な空間をつくった。

 それらを構成する壁などは、当時珍しかったコンクリートの打ちっ放しを採用。

 フィルムには、コンクリートを打設するため、作業員が型枠を丁寧に清掃したり、コンクリートを手押し車で運んだりと、手作りの工程が克明に記録されていた。

 また、市役所設計を依頼した早川忠篤・初代市長と岸田、丹下が肩を並べ市役所を視察する光景も収録。研究者によると、岸田、丹下の師弟が一緒に映る映像は極めて珍しいという。

 遺族からフィルムを寄贈された生田さんは、貴重な記録として、市民への一般公開や、市役所建設に関する小冊子の作成などを計画している。

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