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【学芸員ミュージアム談義】茨城県立歴史館 「明治の公文書」が伝える水害

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「明治四十三年八月水害関係書類」(県立歴史館所蔵)
「明治四十三年八月水害関係書類」(県立歴史館所蔵)

 今年5月に改元を迎えます。昨年は明治改元から150年の節目でした。世相を示す昨年の漢字は「災」となりましたが、明治時代、茨城県は毎年のように水害に見舞われています。『茨城県史料』(近代統計編)によれば、統計不備により不明の年を除くと、明治期は43年の水害が最悪で、損害の総計額は当時の価格で1千万円を超えました。

 筆者が勤務する県立歴史館(水戸市緑町)では、昨年のアーカイブズ展で歴史公文書『明治四十三年八月水害関係書類』を展示しました。本県に残る明治時代の公文書が少ないことを考えると、貴重な資料といえます。

 これによると、県は被害状況を国へ報告していましたが、同年10月末日に内務省土木局長から電報が届きます。書類に不審な点があるので、定められた書式に直した上で、至急再提出するようにということでした。

 県は14の各郡と水戸市に対し、再び報告を求めます。係は集まった数字を合算し、検算を繰り返し「水害表」を完成させました。資料に残された数々のチェックから係の苦労が伝わります。明治最後の知事、坂仲輔(さか・なかすけ)がその書類を決裁し、国に回答したのは、電報を受け取ってから1カ月後の12月3日のことでした。

 県の公文書館としての役割を果たす当館では、昨年展示した資料をはじめ歴史公文書を閲覧することができます。興味をお持ちになられたら、ぜひ当館に足をお運びください。(県立歴史館 富田任(たもつ))

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