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【かながわ美の手帖】ポーラ美術館「モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい」

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 百貨店が商品やファッションのイメージを絵画で示し、意図的に流行を作り出そうと試みたなか、海外の先進的なセンスと絵画技術の体得を買われたのが岡田だった。その点で岡田は日本の洋画史における時代の寵児(ちょうじ)だったといえそうだ。

 ◆表情描かず

 岡田は着物や布の熱心な収集家でもあり、作中の女性がまとう着物も、自らのコレクションを丁寧に描き込み、女性の美しさを引き立たせるという技法を用いた。同展では近年、郵便切手の図柄やテレビCM、CDジャケットなどにイメージが使われて有名な岡田の代表作「あやめの衣」などとともに、着物の実物も並べて展示している。

 「あやめの衣」と共通点が多いもう一つの代表作「来信」も目を引く。腰掛けて右手に持った小さな紙片に視線を落とす女性。斜め上方からという構図が面白い。着物の濃い紫色が、うなじから肩にかけての肌の白さを引き立てている。表情がもう一歩のところで見えないことが、見る者の想像力をかきたてる。

 同館学芸員の山塙(やまばな)菜未は「岡田の作品に登場する女性はみな、今でも『かわいい』と感じるものばかりだ」と話した上で、「岡田が現代に通じるものを描いたというよりも、岡田が描いたものが源流として、今も息づいているのだろう」と分析している。=敬称略(外崎晃彦)

                   

 企画展「モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい」はポーラ美術館(箱根町仙石原小塚山1285)で3月17日まで。午前9時から午後5時(入館は午後4時半まで)。1月30日は展示替えで休室、そのほかは会期中無休。入館料は一般1800円ほか。問い合わせは同館(0460・84・2111)。

                   

【プロフィル】岡田三郎助

 おかだ・さぶろうすけ 明治2年、佐賀城下(現・佐賀市)に生まれ、幼児期に父とともに上京。20代半ばで洋画家・黒田清輝と知り合い、黒田を中心とした洋画団体「白馬会」の結成に参加する。東京美術学校助教授を務め、30年からは約4年半、フランスに留学。帰国後は甘美で気品高い女性画を数多く描いた。昭和12年、文化勲章を受章。14年、東京・渋谷の自宅にて70歳で死去。

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